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解題・説明
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上野城及び城下町の様子を描いた絵図である。城郭には堀や石垣、天守台の規模が詳細に書き込まれ、城代屋敷の部分に「山城」の記載がある。城下町には長方形の街区が描かれ、その寸法の記載とともに侍屋敷(柿色)・町屋(黄色)・鉄砲組屋敷(青色)など屋敷の用途によって彩色されている。居住者名の記載がないため、描かれている時期の特定が困難であるが、絵図の南西部、現在の上野忍町あたりに特徴的な二又の袋小路が見られる。この道路は元禄9年(1696)の火災の際に消火・避難に支障があったため、翌年に袋小路を解消する工事が行われた。また、南部中央には元禄年間(1688~1704)に町名を日南町と改称する「袋町」の表記が見られることなどから、絵図は元禄年間以前の様子を伝えていると考えられる。なお、絵図の縁辺に比自山や久米山など、他の上野城下町絵図では描写されない山容を描くのも本図の特徴である。
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