解題・説明
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芭蕉翁故郷塚のある愛染院は、上野農人町に所在する真言宗豊山派の松尾家菩提寺で、正式名称は遍光山愛染院願成寺である。松尾芭蕉の木像や陶像、墨跡のほか、多数の関係資料が収蔵されている。絵葉書は、収蔵品の芭蕉翁陶像と遺愛と伝わる灯籠である。像は総高24.6㎝、幅(膝)18.5㎝の手びねりで作られ、中空、頭部は別作りとなっている。漆塗りの四脚の台座は草花・蝶が描かれている。一方の灯籠は銅製で、30㎝程度の方形の笠に透かしのある火袋をもつ。透かしには鶴・松・兎など動植物と人物が表現されている。かつては境内の一角で提げられていたが、現在は傷みが著しいため保管されている。
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