解題・説明
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名張市箕曲中村の福成就寺が所蔵している高さ20.8㎝の木造黒漆厨子である。外面の大部分は黒漆、束面のみ朱漆塗、欄間と腰に緑青色の竪連子が入っている。舎利を納める部分は蓮華座に火焔附宝珠が乗る金銅製で、扉の内側には右に不動明王、左に愛染明王が極彩色で描画されている。台座銘には「文明十二年庚子(1480)十月十八日 奉納舜海」などとある。明治45年(1912)2月に国宝指定を受け、現在は国の重要文化財である。令和元年(2019)5月、福成就寺の本堂及び庫裏が焼失したが、厨子は難を逃れた。
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