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解題・説明
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藤堂藩の絵師、上西庄五郎家に伝わった上野城下町の絵図である。凡例から、侍屋敷(柿色)・町屋(黄色)・鉄砲者屋敷(萌黄色)・堀(浅黄色)・寺(墨色)が用途別に彩色して示されていることがわかる。侍屋敷には、各区画に居住する藩士名が記載され、区画ごとの寸法が詳細に書き込まれている点に本図の特徴がある。一方、町屋や農人地は街区単位の表現が基本で、町名は街路の部分に記載されている。本図では、西大手から城内へと抜ける場所に設けられた伊賀加判奉行の役屋敷に「水上権太夫」「安波忠兵衛」の名前が確認できる。この両者の奉行在任期間や記載されている他の藩士の名前から、この城下町絵図は正徳5年(1715)頃の様子を描いたものと推定される。
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