観菩提寺

観菩提寺
テーマ伊賀の寺社建築
見どころ・解説 観菩提寺は、奈良時代の東大寺の高僧実忠によって創建されたとも伝えられ、正月堂の名でも知られています。中世後期に描かれたとされる「観菩提寺の古絵図」には数多くの堂舎がみられ、天正伊賀の乱以前の隆盛していた様子をうかがうことができます。
 国重要文化財の本堂は、桁行3間、梁間3間の入母屋造の檜皮葺きで、外部は朱塗りで柱はすべて円形、四方に縁を巡らし正面は蔀戸となっています。内部は、前面1間を外陣、後方2間を内陣として、中央の1間四方のみ天井が高く格天井となっています。
 本堂と同じく国重要文化財の楼門は、上層が桁行3間、梁間2間で開け放ち、四周に高欄を設け、下層は桁行3間、梁間2間で中央間を入口とし、屋根は檜皮葺きです。脇間には外側に金剛力士像、内側に広目天・多聞天を配しています。
 本尊の十一面観音立像は、国重要文化財で秘仏となっていますが、六臂という珍しい姿で、頭部が大きくあらわされています。10世紀代にさかのぼる貴重な仏像です。このほか木造聖観音立像、2躯の木造十一面観音立像などが伝わります。いずれも平安後期のもので、楼門にある広目天・多聞天と合わせ、古代から篤く信仰されていたことがうかがえます。
所在地
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観菩提寺 所在地
島ヶ原エリア 観菩提寺
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