解題・説明
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炭住の呼び名で都会から引っ越して来た私には,桃山社宅という呼び名は不思議に思えたことの一つである。はじめの印象は立坑もボタ山も煙突も炭坑のすべてが黒か茶褐色のイメージ,またはボタがもえる赤だった。荒々しくて力づよく炭塵の匂いがする動のイメージであった。そんな中でこんな洒落っ気のある女性的な呼び名の炭住は他にないのではと思う。 そして、四季折々の中で炭坑がそれぞれに風情を漂わせているのに感嘆させられもした。特に秋の風情がよく合っている。この絵は、春も過ぎ初夏の風景で、枦山の一部とももやま社宅の一部でこいのぼりが翻っている。 (資料:綿島一彦氏の提供写真を参考)
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