解題・説明
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往時の炭鉱時代でヤマの生活史に最も特徴づけるものに炭住での結婚式と葬式がある。それともう一つの一大イベントが正月と盆踊りであった。共同体のなかでこの四大イベントはヤマの生活を特徴づけていた最大のものであった。人々は共同で助け合い協力し合い、また会社も側面から協力していたと思う。この絵は歳末のヤマの風景で炭住でモチつきをしたが中には絵のように近所や知り合い等で協力し合い家の外でモチつきをする風景もあちこちで見られた。モチつきが終わると松飾りをして街ではどこの映画館も正月映画もそろい早くも正月気分だった。それに規制家族や客も加わって楽しい時期を過ごした。この絵は昭和30年(1955)頃(のものを題材にした)。ヤマの生活が割合自由になり、生活を楽しむようになったのは戦後から閉山までの間と思う。この頃が最も特徴があったと思う。
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