解題・説明
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今治市指定有形文化財(平成三年三月六日指定) 安土桃山時代 1双 雲龍図屏風 伝狩野永徳筆 (右隻)167.5×358.5cm(左隻)167.2×359.4cm 【解説】右隻に吽形、左隻に阿形の龍を配する屏風である。湧き立つ雲、荒れ狂う波をともに描き、躍動感にあふれた画面を形成している。筆の運びやスケールの大きさは、他の永徳作品のイメージに通底するものである。この屏風は両隻とも「州信(くにのぶ)」(永徳の本名)の印を持つ。また、幕末の狩野派絵師・狩野立信(たつのぶ)(または永悳(えいとく))によって描かれた裏面の「波濤図」には「配古永徳法印之墨妙(こえいとくほういんのぼくみょうにはいす)」(永徳作品のすばらしさに添えて)と記されている。 【狩野永徳について】(かのうえいとく)桃山時代の画家。天文一二(1543)-天正一八(1590)年。幼名は源四郎、後に州信。織田信長に認められて、安土城建設に天下一の画家として参加し、また豊臣秀吉にも好まれて登用され、大坂城などの障壁画に携わった。これらの活躍により、狩野派は桃山画壇の中心となる。 参考文献:『日本美術史事典 石田尚豊ほか監修 平凡社 1987年』 【解説協力】今治市河野美術館:愛媛県今治市旭町1-4-8
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