解題・説明
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今治市指定有形文化財(平成三年三月六日指定) 江戸時代前期 1双 雪景山水図屏風 伝狩野常信筆 (右隻)168.4×364.8cm(左隻)168.6×364.6cm 【解説】この作品のような〈水墨山水画〉は、禅宗の広がりにともなって愛好されたものであり、狩野派も初期から親しんだ画風である。永徳らの装飾的な山水画を経て、探幽の頃にはいわゆる〈日本画〉的な水墨山水画が確立された。この「雪景山水画」でも墨の濃淡を用いた雪景色の端正な表現が注目される。 【狩野常信について】(かのうつねのぶ)江戸前期の画家。寛永一三(1636)-正徳三(1713)年。狩野尚信(狩野探幽の弟)の長男で、通称は右近。父・尚信、伯父・探幽の亡き後、江戸狩野の総帥として活躍し狩野家の地位を確固たるものとした。また、父・尚信が基礎を作った木挽町狩野の地位を確立した。 参考文献:『日本美術史事典 石田尚豊ほか監修 平凡社 1987年』 【解説協力】今治市河野美術館:愛媛県今治市旭町1-4-8
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