解題・説明
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今治市指定文化財(昭和四十年十二月二十二日指定) 年代:文政元(1818)年 文晁五十五歳 大きさ:縦165cm 横190cm 文政元年九月に、江戸勤番中の武士により奉納されたもの。厚さ3.5cmの松材2枚を合わせたものに白馬を描く。描線の適確さと雄渾さ、色彩の巧みさなど、文晁の名にふさわしい格調をみせている。裏面には「江戸勤番中 長野織右エ門、阿部吉右エ門、山本惣太」など十人の名前と「世話人 田窪寛右エ門」他二名の名が残され、「文政元年戊寅初冬」とある。これによって、江戸今治藩邸に勤めていた長野織右エ門ら十名が、当時江戸にあって盛名を馳せていた谷文晁に絵馬を描かせ、郷里の別宮大山祇神社に奉納したことがわかる。 谷文晁:宝暦十三(1763)年に生まれ、若い頃加藤文麗に画技を学んだ。のち写山楼、画学斉の号をもち、自ら元・明・清の諸画を研究、さらに土佐・狩野・南画および洋画の各手法を折衷し、新しい画風を創造した。天保十一年七十八歳で没した。 参考文献:【『ふるさと 今治の文化財』今治市教育委員会編集発行 平成2年】【「今治地方の絵馬」矢野徹志著『今治史談 昭和52年10月2日』今治史談会発行】 別宮大山祇神社:今治市別宮町3丁目6番地1
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