解題・説明
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今治市指定有形文化財(平成五年三月三日指定) 室町時代 1双 (右隻)須磨 伝土佐光信筆 179.2×379.9cm(左隻)浮舟 伝土佐光信筆 179.4×380.1cm 【解説】右隻には光源氏を中心とする〈須磨〉および〈明石〉巻からなる場面、左隻には匂宮を中心とする〈浮舟〉巻の場面が描かれている。華麗な装いの女性たちを描かない場面選択は源氏物語の絵画作品としては珍しいものであり、人物描写より情景描写を主とする構図も、山水画などの表現を念頭に置いたものであろうと考えられる。なお、「源氏物語図屏風」は通称で、今治市指定文化財としての登録名称は「紙本著色人物図六曲屏風(しほんちゃくしょくじんぶつずろっきょくびょうぶ)」である。 【土佐光信について】(とさみつのぶ)室町時代の画家。生没年は不詳。文明一(1469)年に宮廷の絵所預となり、また、室町幕府では絵師職に就き、土佐派を確立。 参考文献:『日本美術史事典 石田尚豊ほか監修 平凡社 1987年』 【解説協力】今治市河野美術館:愛媛県今治市旭町1-4-8
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