「西尾市岩瀬文庫」は、貴重な蔵書を保管し未来へ伝えるとともに、来館者が古い時代の書物や文字文化に触れ、楽しみ、学ぶことのできる古典籍の博物館です。
明治41(1908)年、地元の実業家・岩瀬弥助(1867~1930)が、書物を通じた社会貢献と書物の恒久保存を願って独力で古典籍を蒐集、公開した私立図書館として誕生しました。国や県の文化財に指定される史料はじめ古典籍から近代初頭の洋装本、漢籍まで含む蔵書の数は8万点余にのぼります。これらの蔵書は開館当初からあらゆる人に無償で公開されてきました。
戦争や大地震の被害により文庫存続の危機を迎えた戦後、弥助の思いと蔵書は西尾の人々に受け継がれ、岩瀬文庫は西尾市の所管となりました。
岩瀬文庫の8万冊を超える蔵書は、その内容が多岐にわたることが特徴です。朝廷・公家史料の宝庫「柳原家旧蔵本」、京都の高名な本草学者・山本亡羊主宰の研究所「平安読書室」の旧蔵書、市内の八幡社神職・渡辺政香の蒐集、執筆になる三河地域史料群「寺津八幡書庫旧蔵本」などをはじめ、歴史、国文学、本草、地誌、絵本・絵巻、地図類などの古典籍から近代の実用書まで幅広い分野や時代におよびます。単純な稀覯本コレクションにおさまりきらない豊かさが、岩瀬文庫の魅力です。
蔵書・原図の閲覧や写真撮影・掲載、また画像公開していない絵図類などについては西尾市岩瀬文庫へお問い合わせください。