日本赤十字社(以下、日赤)は、2027(令和9)年に創設150周年を迎える機会を捉え、日赤の歴史を語る資料を収集・保管する赤十字情報プラザが所蔵する資料の一部をデジタル・アーカイブズに載せ、インターネットを通じて公開することとしました。命と向き合ってきた赤十字の記憶を守り、後世に伝えることは、私たち人間が過去を振り返り、現在、そして未来の命と尊厳を守ることに繋がるのではないか、との願いが、本プロジェクトの発端です。2022年から国際標準に則した目録作成を開始しており、日赤の前身である博愛社の簿冊や明治から発行している広報誌など、まずは公開準備を終えた日赤の草創期の資料から、順次デジタル・アーカイブズで公開する予定です。日赤の活動は、誕生以来、多くのみなさまに支えられてきました。その足跡をデジタル・アーカイブズで、ご覧いただければ幸いです。
日赤は、ジュネーブ条約に基づき、人道支援を行うことを目的とし、中立をその方針に掲げ、人種、民族、信条、性別などの差別をしないことを宣言しています。しかし、その時々の時代や社会背景を色濃く反映する資料には、今日では配慮すべき人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病、性的指向等に基づく差別意識を反映した言葉や表現が含まれ、現在では不適切と思われる内容を含むものがあります。日赤ではこのような資料であっても、当時の社会的意識を反映した歴史的記録、または証拠として、ありのままを掲載いたします。また、資料を作成した当時の記載に、誤記や間違いが見受けられることもありますが、それも含めて、記録の真正性として重視し、そのまま掲載しています。ご利用に際しては、日赤以外にも、対象となる時代の国内外の政治や文化を伝える幅広い資料を参照され、この点をご理解くださいますようお願いいたします。