○早大 27-22 関東学大●
早大「荒ぶる」高らか 関東学大V3阻む
平成14年(2002)度 第39回大学選手権決勝 | ||||||
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2003年1月11日 G:国立競技場 R:岩下眞一 KO 14:00 | ||||||
早大 | 27 | - | 22 | 関東学大 | ||
1 | 大江 菊臣(④桐蔭学園) | 22 | 前 | 10 | 1 | 立川 大介(④九州学院) |
2 | 阿部(柴山)一樹(④茗渓学園) | 5 | 後 | 12 | 2 | 高山 勝行(④大工大高) |
3 | 伊藤 雄大(②久我山高) | 3 | 山村 亮(③佐賀工) | |||
4 | 高森 雅和(④市川東高) | 3 | T | 2 | 4 | 堺田 純(③清真学園) |
5 | 桑江 崇行(②茨木高) | 2 | G | 0 | 5 | 北川 俊澄(④伏見工) |
6 | 羽生 憲久(④早実高) | 1 | PG | 0 | 6 | 鈴木 力(④茗渓学園) |
7 | 川上 力也(③久我山高) | 0 | DG | 0 | 7 | 赤井 大介(④大工大高) |
8 | 佐々木 隆道(①啓光学園) | 8 | 山本 貢(③新田高) | |||
9 | 田原 耕太郎(④東福岡高) | 1 | T | 2 | 9 | 小畑 陽介(③東山高) |
10 | 大田尾 竜彦(③佐賀工) | 0 | G | 1 | 10 | 入江 順和(③八幡中央高) |
11 | 仲山 聡(④東筑高) | 0 | PG | 0 | 11 | 水野 弘貴(③東山高) |
12 | 豊山 寛(②久我山高) | 0 | DG | 0 | 12 | 鈴木 博貴(③関東学院) |
C13 | 山下 大悟(④桐蔭学園) | 13 | 河津 賢太郎(③日田高) | |||
14 | 山岡 正典(③天理高) | 24 | 反 | 21 | 14 | 三宅 敬(④伏見工) |
15 | 内藤 慎平(②秋田高) | 15 | 有賀 剛(①日川高) | |||
交代【早】上村康太(④久我山高)⑦、安藤栄次(②熊谷工)⑩ 【関】北川喬之(③東山高)①、大津留邦宏(③天理高)⑮、高安厚史(②東山高)⑨ | ||||||
「早大、大学日本一、関東学院大にリベンジ」(読売)、「日本一早大、清宮監督男泣き」(サンスポ)、「ワセダ荒ぶる絶唱、Ultimate Crush[この期の早大スローガン]で封印解いた」(東中スポーツ)など、スポーツ紙では3頁を使って早大の復活を伝えた。
前半7分、早大山下がトライ(田原ゴール)。14分早大仲山が50メートル走ってトライ(田原ゴール)。22分早大ラックを連取して大田尾が右隅にトライ。29分関東学大ゴール前スクラムからNo8山本がサイドを突き右隅にトライ。32分早大田原PG。35分関東学大鈴木力がトライ。早大22−10関東学大。後半13分、早大髙森がチャージしてトライ。35分関東学大山村がトライ(入江ゴール)。44分関東学大山村が再びトライ。早大27−22関東学大。
「今季は試合後半に勝負を決めてきた早大が、この日は立ち上がりで試合の流れをつかむ。前半7分、ゴール前ラックから攻撃。狭い左サイドで、移動してきたCTB山下を関東FWの山本がマークする“ミスマッチ”[人数は不足していないが、PRが俊敏なBKをマークするようなディフェンス]に追い込み、さらにSO大田尾も左へ走りこみ、3対2と人数で上回る“オーバーラップ”を作り出した。相手のサイド防御が遅れ、大田尾にボールを持つ余裕が生まれた分、山下へのマークが緩む。大田尾は流れを読みきってパス。マークをずらしてもらえば、山下のものだ。『きょうは初めから狙っていた』。今季は周囲を生かすプレーが目に付いた主将が、持ち味の突破力でタックルを引きずり、左腕を伸ばした。昨年の決勝で、同じコーナーに飛び込んだのは関東学院だった。後半27分、山下は味方が相手の攻めに引き寄せられた分だけラックに近づいて立ち、ラインの外側に参加したNo8山口にタックルが届かず、トライを許している。あれから1年。二重、三重に相手防御を崩した理詰めのトライは、関東学院との力関係が逆転したことを表していた。2分後には右ラインアウトから、68.5メートルの横幅いっぱいに使う攻めで2トライ目。ワイドな攻撃は内から外へと追う関東学院防御への対策だ。相手に合わせてスタイルを柔軟に変えられる能力の高さが光った。昨年からの成長を見せつけた早大。前半30分前後から関東学院の追い上げを受けたが、序盤の連続トライで奪ったリードは一度も譲ることがなかった」(朝日、美土路昭一)。美土路記者は山下のトライを図解入りで解説している。
私はこのシーズン、SHからFLへ転向してレギュラーとなった羽生憲久の活躍を、感動を持って見つめていた。その鋭い出足から足元へ飛び込む猛タックルは早稲田復活の殊勲者といってよい」(『新版早稲田ラグビー史の研究』P411)。