昭和33年(1958)度 第11回社会人大会決勝

昭和34年(1959)1月8日 秩父宮ラグビー場

八幡製鉄 9-0 近畿日本鉄道●

八幡、近鉄に雪辱して6回目の優勝

昭和33年(1958)度 第11回社会人大会決勝
1959年1月8日 G:秩父宮ラグビー場 R:川田大介 KO 14:00
八幡製鉄 9 0 近畿日本鉄道
1 内村 利久(熊本工) 6 0 C1 南(貝元)義明(関西学大)
2 江藤 敏勝(福岡工) 3 0 2 蓬田 和志(天理高)
3 藤  晃和(明大) 3 畠山  忠(秋田工)
4 松岡 英昭(明大) 2 T 0 4 前田 恭平(同大)
5 西住 弘久(福岡工) 0 G 0 5 増田 孝雄(天理高)
6 山崎 靖彦(早大) 0 PG 0 6 湯朝 尚道(八尾高)
7 吉村 靖俊(福岡工) 0 DG 0 7 向出 博之(明大)
8 植木 史朗(福岡高) 8 武田  明(尼崎高)
9 関根 万睦(早大) 1 T 0 9 福田  廣(日大)
10 尾郷 直司(八幡高) 0 G 0 10 上坂 桂造(同大)
11 筒井  清(八幡高) 0 PG 0 11 田中 伸治(徳島城東高)
12 西村  寛(小倉高) 0 DG 0 12 森田 重雄(天理高)
13 土屋 俊明(明大) 13 佐藤 錠司(明大)
14 宮井 国夫(明大) 11 7 14 神庭 正生(天理高)
C15 佐藤 英彦(早大) 15 山田 満久(西京高)

 八幡が復活して3年ぶりに優勝した。八幡は日本のエース宮井国夫が入社2年目にしてブレイクした。前年度、京都市役所と引き分け、敗れずして去った八幡は、その悔しさをバネに、より完成度の高いチームになって、危なげなく優勝した。9−0と接戦に見えるが、当時のトライは3点、3トライをあげて完封したのだから八幡の完勝といえる。八幡は前半5分、植木が近鉄のパスをインターセプトして40メートル独走して先制、22分にはラックから土屋、宮井とわたりトライ、後半14分にも土屋が左隅にトライをあげて近鉄を突き放した。ゴールが3本とも失敗に終わったのは、泥濘(でいねい)戦だったことによるが、当時はボールが飛ばず、ゴールを決めるのはなかなか難しかった。この大会の準々決勝、近鉄横河電機戦で横河CTB横井久がノーマークでドリブルしているとき、ボールがパンクして消え、チャンスを逃した珍しいアクシデントを、私は観客として目撃している。