昭和34年(1959)度 第12回社会人大会決勝

昭和35年(1960)1月8日 花園ラグビー場

八幡製鉄 13-3 近畿日本鉄道●

八幡、近鉄を下して2連覇

昭和34年(1959)度 第12回社会人大会決勝
1960年1月8日 G:花園ラグビー場 R:宇野憲治 KO 14:30
八幡製鉄 13 3 近畿日本鉄道
1 内村 利久(熊本工) 3 0 1 松尾 潤一(同大)
2 江藤 敏勝(福岡工) 10 3 2 蓬田 和志(天理高)
3 藤  晃和(明大) 3 畠山  忠(秋田工)
4 松岡 英昭(明大) 0 T 0 4 前田 恭平(同大)
5 西住 弘久(福岡工) 0 G 0 5 角田(増田)孝雄(天理高)
C6 山崎 靖彦(早大) 1 PG 0 6 湯朝 尚道(八尾高)
7 吉村 靖俊(福岡工) 0 DG 0 7 向出 博之(明大)
8 植木 史朗(福岡高) 8 武田  明(尼崎高)
9 関根 万睦(早大) 2 T 0 9 福田  廣(日大)
10 尾郷 直司(八幡高) 2 G 0 C10 上坂 桂造(同大)
11 筒井  清(八幡高) 0 PG 1 11 神庭 正生(天理高)
12 西村  寛(小倉高) 0 DG 0 12 森田 重雄(天理高)
13 土屋 俊明(明大) 13 田中 伸治(徳島城東高)
14 宮井 国夫(明大) 7 10 14 実方  進(神戸商大)
15 浮田 光雄(常盤高) 15 山田 満久(西京高)

 八幡、近鉄時代は熾烈さを加えていく。社会人ラグビーはこの両者の対決に燃えた。

 近鉄はホームグラウンドでの開催であり、どうしても勝ちたい試合だったが、八幡の牙城を崩せなかった。前半は八幡内村のPGのみ。後半開始早々、八幡はラックのボールを拾った植木から西村、土屋、宮井と回りトライ(ゴール)、近鉄は8分に山田がPGを決めて3−8と追ったが、八幡は植木のチャージから山崎がポスト右にトライ(ゴール)をあげて逃げきった。

 朝日の松岡洋郎記者は「キックが多く、ラグビー界で最高峰を行く社会人の決勝としてははなはだ平凡な試合、技術面からいえば期待はずれの1戦だった」と評している。私もこの大会で東横百貨店(現東急)のCTBとして出場、京都市役所に9−8で勝った。この試合で主審が7分早くノーサイドを宣して話題になり、名レフリーだった新島清氏が以後自ら笛を断ったエピソードを残している。