令和4年(2022) リーグワン プレーオフトーナメント決勝

写真
令和4年(2022)5月29日 G:国立競技場 R:久保修平
○埼玉パナソニックワイルドナイツ 18-12 東京サントリーサンゴリアス
対戦日2022/05/29 (日) Kick off15:07
競技場国立競技場 観客数33,604人
天候晴れ/微風 グラウンド
状態
良い
ドクターMED-M:三森教雄 MDD:長谷川 淳/中谷 創
記録係ジャパンラグビーリーグワン
レフリー久保修平(日本協会A)sign
アシスタントレフリー

川原佑(日本協会A)

滑川剛人(日本協会A)

伊東柱司/土屋有司(関東協会)

マッチコミッショナー中里裕一sign
TMO藤 実
サイティングコミッショナー畠本茂也
タイムキーパー大國能彦
東京サントリーサンゴリアス
# Name(cm/kg/Age) Pos.
1 石原慎太郎(181/105/31) PR
2 北出卓也(180/102/29) HO
3 垣永真之介(180/115/30) PR
4 ツイヘンドリック(189/108/34) LO
5 小林航(195/116/28) LO
6 飯野晃司(189/109/27) FL
7 小澤直輝(182/103/33) FL
8 トム・サンダース(190/110/28) NO8
9 流大(166/71/29) SH
10 田村煕(175/85/28) SO
11 テビタ・リー(182/95/27) WTB
12 中村亮土(178/92/30) CTB
13 サム・ケレビ(186/106/28) CTB
14 尾崎晟也(174/84/26) WTB
15 ダミアン・マッケンジー(177/78/27) FB
16 堀越康介(175/100/26) Re.
17 森川由起乙(180/112/29)
18 セミセ・タラカイ(183/122/30)
19 辻雄康(190/107/26)
20 テビタ・タタフ(183/120/26)
21 齋藤直人(165/73/24)
22 中野将伍(186/100/24)
23 尾崎泰雅(182/92/23)

※背番号の白抜きはキャプテン

埼玉パナソニックワイルドナイツ
# Name(cm/kg/Age) Pos.
1 稲垣啓太(186/116/31) PR
2 坂手淳史(180/104/28) HO
3 藤井大喜(183/114/24) PR
4 ジャック・コーネルセン(195/110/27) LO
5 ジョージ・クルーズ(198/123/32) LO
6 ベン・ガンター(195/120/24) FL
7 ラクラン・ボーシェー(191/104/27) FL
8 布巻峻介(178/98/29) NO8
9 内田啓介(179/86/30) SH
10 山沢拓也(176/84/27) SO
11 マリカ・コロインベテ(182/96/29) WTB
12 ハドレー・パークス(187/101/34) CTB
13 ディラン・ライリー(187/102/25) CTB
14 竹山晃暉(175/84/25) WTB
15 野口竜司(177/83/26) FB
16 堀江翔太(180/104/36) Re.
17 平野翔平(178/120/28)
18 ヴァルアサエリ愛(187/115/33)
19 長谷川崚太(188/100/29)
20 谷昌樹(180/95/31)
21 小山大輝(171/74/27)
22 ヴィンス・アソ(185/90/27)
23 セミシ・トゥポウ(189/98/22)
得点
HostVisitor
前半後半前半後半
00 T 11
00 G 10
00 PT 00
13 PG 11
00 DG 00
39 108
12合計18
プレーヤー・オブ・ザ・マッチ
埼玉WK(11):マリカ・コロインベテ
反則
PKFKPKFK
40 前半 30
40 後半 30
80 合計 60

Host 交替/入替

種類時間背番号
交替 前半27分 2 → 16
入替 後半10分 1 → 17
入替 後半10分 3 → 18
入替 後半10分 8 → 20
入替 後半22分 10 → 22
入替 後半26分 5 → 19
入替 後半26分 9 → 21

Host 一時交替

時間背番号内容

Visitor 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半6分 2 → 16
入替 後半6分 3 → 18
入替 後半17分 8 → 19
入替 後半17分 12 → 22
入替 後半27分 9 → 21

Visitor 一時交替

時間背番号内容

Host カード/処分

種類時間背番号内容

Visitor カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : 東京サントリーサンゴリアス /後半Kick off : 埼玉パナソニックワイルドナイツ

前半チーム名#.Name
6分 東京SG 15.ダミアン・マッケンジー PG 3 - 0
14分 埼玉WK 10.山沢拓也 PG 3 - 3
22分 埼玉WK 10.山沢拓也 PGx 3 - 3
28分 埼玉WK 11.マリカ・コロインベテ T 3 - 8
30分 埼玉WK 10.山沢拓也 G 3 - 10
37分 埼玉WK 10.山沢拓也 PGx 3 - 10
後半チーム名#.Name
12分 東京SG 15.ダミアン・マッケンジー PG 6 - 10
後半チーム名#.Name
17分 東京SG 15.ダミアン・マッケンジー PG 9 - 10
21分 埼玉WK 10.山沢拓也 DGx 9 - 10
24分 埼玉WK 10.山沢拓也 PG 9 - 13
26分 東京SG 15.ダミアン・マッケンジー PG 12 - 13
33分 埼玉WK 13.ディラン・ライリー T 12 - 18
35分 埼玉WK 10.山沢拓也 Gx 12 - 18

<特記事項>
【TMO】
・前半11分:埼玉WKのトライ前のプレーでスローフォワードがあったかどうかの確認 ⇒ スローフォワードの判定、東京SGボールのスクラムにて再開。
・前半32分:埼玉WKのトライ前のプレーでノックオンがあったかどうかの確認 ⇒ 埼玉WKのノックオンの判定、東京SGボールのスクラムにて再開。


 開幕当初、新型コロナウイルス感染症の影響により、2試合が不戦敗となるも、その後の実戦で全勝を遂げた埼玉パナソニックワイルドナイツと16戦で14勝(2敗)を上げ、リーグ戦トップの東京サントリーサンゴリアスが、まさに両横綱として決勝に勝ち上がった。
 リーグワン開幕年の歴史的1戦ということで、両チームが負けない戦いを演じ、内容は自ずと固いものとなった。序盤よりキックの応酬となるが、そのキッカーがダミアン・マッケンジー、山沢と名キッカー同士のため大きく陣地を取る見事なキック合戦が繰り広げられた。PGも両選手が一つずつ決め3-3と拮抗した状態が続いた。そんな中、サンゴリアスのスクラム、ラインアウトを支えてきた2番フッカーの北出が、前半27分に負傷して交代(堀越)する。直後の28分右のラインアウトからグランド中央部でポイントを作ったワイルドナイツは左へ展開し、CTBディラン・ライリーが2人のマークを引き付け、ライン参加したFB野口を走らせた。野口はスペースを快走し最終マークを引き付け、フリーとなったWTBコロインベテへパス。コロインベテは自慢の快足でサンゴリアスのバックアップを難なく振り切り、先生のトライを挙げた(山沢のGも決まり10-3)。その後もワイルドナイツが攻勢に出るが、細かいミス(TMOで2回(スローフォワードと小さなノックオン)トライが取り消し)により、なかなか追加点があげられない。しかし前半の終了間際、ワイルドナイツゴール前でサンゴリアスがボールを繋ぎ、こぼれ球を拾ったダミアン・マッケンジーが激走しゴールに迫るが、山沢の執念のタックルが落球を誘い見事にトライをセーブした。
 後半に入り、攻勢にでたサンゴリアスに対して、ワイルドナイツは、いつもより早く後半6分にスーパーサブ(試合を勝ち切るための方程式)の堀江を投入し、持ち前の固いチーム・ディフェンスを見せ、なかなかトライチャンスを作らせない。それでも圧力を受けたワイルドナイツの反則を、ダミアンが見事なキックで得点につなげる。ワイルドナイツ山沢に1本返されたものの結局4回のPGを全て成功させて後半26分13-12とサンゴリアスが見事な追い上げを見せる。しかし後半の終盤になるとワイルドナイツはより落ち着いて守り、チャンスを見て攻撃に転ずる。
 流れを決定づけたのは後半30分中盤でのサンゴリアスボールのスクラムでNo.8のタタフが何かを仕掛けようとボールに働きかけ、プッシュを止めたその時に、堀江を中心とするワイルドナイツが8人でプッシュをかけた。見事にサンゴリアスのスクラムを崩しPKを獲得したのだ。勿論、山沢のタッチキックでサンゴリアス陣22mまで入り、そのラインアウトからワイルドナイツの攻勢が始まった。コーネルセン、長谷川、ジョージ・クルーズたちが基本に忠実なプレーでラックを10回連取し、33分右に振って山沢からディラン・ライリーにパスがつながりのトライに結び付けた(18-12)。残り5分、あきらめないサンゴリアスも逆転を目指して頑張ったが、ワイルドナイツは過去15戦と全く変わらない冷静なDFを見せ、最後はジャッカルを決めてフルタイムとなった。TV中継には写らなかったが、最後のワンプレーの際に感情的になった選手の行為により、ひと悶着があった。選手一人一人に思いや感情があることは当然だが、日本ラグビーの普及、発展のためにも少年少女たちが純粋な気持ちで応援できるようなプレーに徹してもらいたいものだ。横綱同士の見ごたえのある戦いが決着し、両チームの選手たちがお互いをたたえ合う姿を見て、ホッとした。