令和5年(2023)5月20日 G:国立競技場 R:滑川剛人
○クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 17-15 埼玉パナソニックワイルドナイツ
王者ワイルドナイツついに敗れる! 新王者にクボタスピアーズ船橋・東京ベイ!
対戦日 | 2023/05/20 (土) | Kick off | 14:38 |
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競技場 | 国立競技場 | 観客数 | 41,794人 |
天候 | くもり時々晴れ/微風 | グラウンド 状態 |
良い |
ドクター | MED-M:三森教雄/MDD:永山正隆.長谷川淳 | ||
記録係 | ジャパンラグビーリーグワン2 |
レフリー | 滑川剛人(日本協会A) | sign |
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アシスタントレフリー |
古瀬健樹 (日本協会A) 川原佑 (日本協会A) 土屋有司 色川俊之 (以上関東協会) |
|
マッチコミッショナー | 稲垣純一 | sign |
TMO | 久保修平 | |
サイティングコミッショナー | 岩下真一 | |
タイムキーパー | 館野雅弘 |
埼玉パナソニックワイルドナイツ | ||
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# | Name(cm/kg/Age) | Pos. |
1 | 稲垣啓太(186/116/32) | PR |
2 | 坂手淳史(180/104/29) | HO |
3 | ヴァルアサエリ愛(187/115/34) | PR |
4 | マーク・アボット(197/112/33) | LO |
5 | ルード・デヤハー(206/127/30) | LO |
6 | 福井翔大(186/101/23) | FL |
7 | ラクラン・ボーシェー(191/104/28) | FL |
8 | ジャック・コーネルセン(195/110/28) | NO8 |
9 | 内田啓介(179/86/31) | SH |
10 | 松田力也(181/92/29) | SO |
11 | マリカ・コロインベテ(182/96/30) | WTB |
12 | ダミアン・デアレンデ(190/105/31) | CTB |
13 | ディラン・ライリー(187/102/26) | CTB |
14 | 長田智希(179/90/23) | WTB |
15 | 野口竜司(177/83/27) | FB |
16 | 堀江翔太(180/104/37) | Re. |
17 | クレイグ・ミラー(186/116/32) | |
18 | 平野翔平(178/120/29) | |
19 | リアム・ミッチェル(197/117/27) | |
20 | 大西樹(185/98/27) | |
21 | 小山大輝(171/74/28) | |
22 | 山沢拓也(176/84/28) | |
23 | 竹山晃暉(175/84/26) |
※背番号の白抜きはキャプテン
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ | ||
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# | Name(cm/kg/Age) | Pos. |
1 | 紙森陽太(172/105/24) | PR |
2 | マルコム・マークス(189/117/28) | HO |
3 | 北川賢吾(178/110/30) | PR |
4 | 青木祐樹(188/105/31) | LO |
5 | ルアン・ボタ(205/120/31) | LO |
6 | トゥパフィナウ(190/115/33) | FL |
7 | 末永健雄(178/98/28) | FL |
8 | ファウルア・マキシ(187/112/26) | NO8 |
9 | 谷口和洋(164/73/28) | SH |
10 | バーナード・フォーリー(182/89/33) | SO |
11 | 木田晴斗(176/90/24) | WTB |
12 | 立川理道(180/93/33) | CTB |
13 | ライアン・クロッティ(181/94/34) | CTB |
14 | 根塚洸雅(173/82/24) | WTB |
15 | ゲラード・ファンデンヒーファー(192/102/34) | FB |
16 | スカルク・エラスマス(184/109/25) | Re. |
17 | 加藤一希(185/115/28) | |
18 | オペティ・ヘル(190/127/24) | |
19 | ヘルウヴェ(193/120/32) | |
20 | 玉置将也(188/100/24) | |
21 | 藤原忍(171/76/24) | |
22 | テアウパシオネ(183/97/30) | |
23 | ハラトア・ヴァイレア(187/105/24) |
得点 | ||||
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Host | Visitor | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
0 | 2 | T | 0 | 1 |
0 | 1 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
1 | 0 | PG | 3 | 1 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
3 | 12 | 計 | 9 | 8 |
15 | 合計 | 17 |
プレーヤー・オブ・ザ・マッチ |
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クボタスピアーズ船橋・東京ベイ NO.12 立川理道 |
反則 | ||||
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PK | FK | PK | FK | |
6 | 0 | 前半 | 5 | 0 |
3 | 0 | 後半 | 7 | 0 |
9 | 0 | 合計 | 12 | 0 |
Host 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半10分 | 1→17 |
入替 | 後半10分 | 2→16 |
入替 | 後半15分 | 9→21 |
入替 | 後半15分 | 10→22 |
Host 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|---|---|
後半34分 → 後半37分 | 21 → 9 | 出血 |
Visitor 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半9分 | 4→19 |
入替 | 後半9分 | 3→18 |
入替 | 後半9分 | 13→22 |
入替 | 後半20分 | 9→21 |
入替 | 後半27分 | 1→17 |
Visitor 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|---|---|
前半14分 → 前半26分 | 11 → 23 | HIA |
Host カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
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Visitor カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
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得点経過 前半Kick off : クボタスピアーズ船橋・東京ベイ / 後半Kick off : 埼玉パナソニックワイルドナイツ
前半 | チーム名 | #.Name | 種 | H | V | |
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11分 | 埼玉WK | 10.松田力也 | PGx | 0 | - | 0 |
18分 | S東京ベイ | 12.立川理道 | DGx | 0 | - | 0 |
20分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | PG | 0 | - | 3 |
26分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | PG | 0 | - | 6 |
34分 | 埼玉WK | 10.松田力也 | PG | 3 | - | 6 |
36分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | DGx | 3 | - | 6 |
38分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | PG | 3 | - | 9 |
後半 | チーム名 | #.Name | 種 | H | V | |
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6分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | PG | 3 | - | 12 |
18分 | 埼玉WK | 16.堀江翔太 | T | 8 | - | 12 |
19分 | 埼玉WK | 22.山沢拓也 | G | 10 | - | 12 |
25分 | 埼玉WK | 14.長田智希 | T | 15 | - | 12 |
27分 | 埼玉WK | 22.山沢拓也 | Gx | 15 | - | 12 |
29分 | S東京ベイ | 11.木田晴斗 | T | 15 | - | 17 |
31分 | S東京ベイ | 10.バーナード・フォーリー | Gx | 15 | - | 17 |
<特記事項>
今年のリーグ戦においても、ワイルドナイツは相手に勝ったと思わせるような試合が何試合かあった。しかしことごとく最後は一気に攻勢に出て相手のミスにつけ込み勝利してしまう力があった。リーグ戦終盤に静岡ブルーレヴズに1敗を喫したが、かえって引き締まり、王者へ駆け上るものと思われていた。しかしこの日は上り調子のクボタスピアーズの圧力を受け、信じられないようなミスが頻発した。結果から見るとチャンスで切り札コロインベテへのパスが1本でも通っていれば結果は逆になっていたのかもしれない。しかしベテラン立川主将を擁するクボタスピアーズは常に落ち着き、そして自慢のパワープレーを前面に出し、ワイルドナイツに圧力をかけ続けた。
キックオフ直後より、両チームとも気迫あふれるプレーをぶつけ合うものの、なかなか得点には至らない。前半10分、ワイルドナイツの名キッカー松田が普段なら外し得ないPGを外してしまう。12分クボタスピアーズはハーフウェイ右のラインアウト、末永のパスを開いて貰ったSH谷口がワイルドナイツのバックラインの裏に小さなパントを上げ、そのこぼれ球を谷口、クロッティー、そして今期絶好調のWTB木田へ繋ぐ。木田は得意のステップで左のスペースを快走し、先制トライかと思われたが、逆サイドからバッキングアップをしたワイルドナイツのエースWTBコロインベテが自慢の快足を飛ばして追いつき激しいタックル。木田はタッチ外に押し倒され後頭部を強打しHIA判定で一時退場となった。16分ワイルドナイツ22mライン中央のクボタスピアーズのアタックを、タックルとセービングで見事にボールを奪い返したワイルドナイツは果敢に左オープンに攻め、デアレンデがラインの裏へ抜け出し、ディラン・ライリーへ見事なパスを通すも、ライン参加した野口へのパスが後ろになり、ワイルドナイツにしては信じられないミスでチャンスをつぶす。このように火花を散らすほどの攻防を見せながらも両チームとも得点のないままに時間が過ぎていく。
迎えた20分、クボタスピアーズのラインアタックで得たPKをバーナード・フォーリーが難なく決めてようやく試合が動き出した。その後のキックオフでクボタ自陣22mのラックから出たボールをバーナード・フォーリーがキックで挽回を図ろうとするが、ワイルドナイツ9番内田がチャージ。こぼれ球の処理をミスして、クボタゴール前右5mでワイルドナイツボールのスクラムとなった。ワイルドナイツが如何にして得点につなげるかと思われたが、ここでクボタスピアーズの圧力にワイルドナイツのスクラムが崩れ、PKを取られた。試合の流れとして大きなプレーだった。その後もFW、BK一体となったクボタスピアーズのアタックが続き、パナソニックの反則を誘い、26分、再びバーナード・フォーリーがゴール前中央10mのPGを難なく決めた(6-0)。パナソニックもチャンスが来れば積極的なBK展開を図る。34分、クボタのオフサイドで得たゴール前中央15mのPGを松田が決めた(6-3)。38分、今度はクボタスピアーズのファンデンヒーファーの高いハイパントの処理の際に、ワイルドナイツがオフサイドを犯し、22mライン上のPGをバーナード・フォーリーが再び決めた(9-3)。その後は両チーム得点なく前半終了。
後半6分、ワイルドナイツが自陣からの脱出を図るべくSO松田の敵陣へのキックの際にFWがオフサイドの位置から走ってしまい、それで得た中央30m弱のPGをバーナード・フォーリーが決めた(12-3)。その後、流れを変えようと果敢に攻めるワイルドナイツの攻撃に対してクボタは堅実なDFで凌ぐ。たまりかねたワイルドナイツは10分切り札の16番堀江を17番ミラーと共に投入。15分には22番山沢を21番小山と共に投入して挽回を図る。迎えた18分、ワイルドナイツはクボタスピアーズゴール前左10mのラインアウトから、しっかりとしたモールを形成し、ボールを確保した堀江を中心にプッシュをかけ続け、最後はBKも加わってトライを挙げた(山沢のG成功で12-10)。攻撃の手を緩めないワイルドナイツは25分、敵陣に入ってラックを連取した後、クボタ陣ゴール前15m中央のラックから小山、山沢とつないで、山沢はライリーを飛ばしてWTB長田に見事なロングパス。長田は、スペースを快走したのちクボタスピアーズのバックアップを見事なスピードで縦に切り裂きインゴールへ飛び込んだ(山沢のG失敗で12-15)。まさに「これぞワイルドナイツ!」というアタックで見事に逆転をした。しかしクボタスピアーズは誰一人あきらめることなく落ち着いていた。29分ハーフウェイ付近右サイドのラックからSH藤原が22m付近へハイパントを上げた。この日、完璧なキャッチを繰り返してきたワイルドナイツ野口に対して、クボタスピアーズNo8 マキシが激しく競り合い、珍しくボールがこぼれた。それを見事なサポートで拾ったWTB根塚がゴール前10mまで前進して見事なラックを形成、クボタスピアーズは左へ展開。SH藤原から直接パスを受けた立川に対して、大外で待つ左WTBの木田が明確にコール。立川の見事なキックがゴール前5mで待ち構える木田の胸にすっぽりと納まり、楽々トライを決め逆転した(バーナード・フォーリーG失敗で17-15)。
その後、ワイルドナイツは当然ながら逆転を目指して猛アタックを仕掛ける。敵陣に入ってPKのチャンスを得ることができれば逆転可能な点差なのだ。何度かチャンスを作るのだが、この日のワイルドナイツは最後のパスでミスが生じてしまう。敵陣でラックを形成しながら、しっかりと時間を稼ぐクボタスピアーズは、最後のラックからパスを受けたバーナード・フォーリーが真横にキックを蹴りだしフルタイムとなった。
日本ラグビーの発展のためには、歴史が変わることは悪いことではない。この日の悔しさを忘れず王者ワイルドナイツもまた来季素晴らしいラグビーを見せてくれるだろう。クボタスピアーズと共に躍進したキヤノンイーグルスと、ワイルドナイツ同様に悔しさを持ってシーズンを終えることになった才能軍団サントリーも含め、日本ラグビーを世界レベルの上位に押し上げてくれることに大いに期待する。
初優勝に熱狂するクボタスピアーズ・フィフティーンの中、ただ一人、立川主将が冷静に滑川主審に握手を求めに行った。とても印象的なシーンであり、好チームクボタスピアーズのバックボーンを感じた。いつも温かい応援を続けるクボタスピアーズ サポーターのオレンジ・アーミーと共に、リーグワンの模範的チームとなってきている。