高等専門学校[高専と略称、工業高等専門学校は工専と略称する]ラグビーの歴史は古く、大正6年(1917)度、高校ラグビーの前身となった大阪毎日新聞社主催の全国蹴球大会[高校ラグビー史参照]にさかのぼる。第1回から第2回大会は大学、高専、中学に参加資格があり、第3回から第8回大会までは中学が別部門となり、大学、高専に出場資格が与えられた。
大正14年(1925)度に大学とも分離して、参加資格が『高等学校、大学予科、および同程度の専門部、専門学校の生徒によるチーム』となって、学制改革が行われた昭和23年(1948)度の第21回大会まで行われた。
学制改革により、この大会は新制大学大会としてスタートし、全国大学大会、全国地区対抗大学大会と改称され現在に至ってる。
新制大学大会に改組され、高専チームが一時的に取り残されてしまったが、関係者の尽力で昭和45年(1970)度から、全国高等専門学校大会として生まれ変わり、平成22年(2010)度で第41回と、歴史を重ね現在に至っている。
回数 | 試合日 | 優勝チーム | スコア | 準優勝チーム | グラウンド | レフリー |
【日本蹴球大会ラグビー部門、大学・高専決勝】 | ||||||
高専は第1回、2回は日本蹴球大会ラグビーの部に参加資格を得ていた。第3回から高専と中学を分離したが、高専の部には参加チームがなかった。 | ||||||
第4回 | 大正10年(1921)2.13 | ○慶大予科 | 44−0 | ●関西学院 | 豊中運動場 | 大脇順路 |
第5回 | 大正11年(1922)2.12 | ○三高 | 3−0 | ●大阪高商 | 豊中運動場 | アブラハム |
第6回 | 大正12年(1923)2.11 | △三高 | 0−0 | △同志社大学 | 宝塚運動場 | 杉本貞一 |
(双方優勝) | ||||||
第7回 | 大正13年(1924)2.11 | ○三高 | 8−3 | ●同志社大学 | 宝塚運動場 | 竹上四郎 |
第8回 | 大正14年(1925)1.19 | ○三高 | 6−5 | ●同志社大学 | 甲子園球場 | 馬場二郎 |
【全国高等専門学校ラグビーフットボール大会決勝】 | ||||||
この大会から参加資格が「高等学校、大学予科、および同程度の専門部、専門学校の生徒によるチーム」となり、名実ともに高専大会となった。 | ||||||
第1回 | 大正15年(1926)1.10 | ○三高 | 不戦勝 | ●大阪高校 | 京大グラウンド | 不明 |
第2回 | 昭和2年(1927)1 | 大正天皇崩御のため中止 | ||||
第3回 | 昭和3年(1928)1.5 | ○大阪高校 | 7−6 | ●東京高師 | 京大グラウンド | 巌 栄一 |
第4回 | 昭和4年(1929)1.5 | ○立大予科 | 14−5 | ●南満州工専 | 京大グラウンド | 巌 栄一 |
第5回 | 昭和5年(1930)1.6 | ○東京高師 | 52−6 | ●関西学院 | 花園ラグビー場 | 巌 栄一 |
第6回 | 昭和6年(1931)1.6 | ○東京高師 | 38−0 | ●旅順工大予科 | 花園ラグビー場 | 山口六助 |
第7回 | 昭和7年(1932)1.6 | ○明大予科 | 17−0 | ●関西学院 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第8回 | 昭和8年(1933)1.6 | ○早大高等学院 | 21−0 | ●関西学院 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第9回 | 昭和9年(1934)1.6 | ○早大高等学院 | 19−6 | ●普成専門 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第10回 | 昭和10年(1935)1.8 | ○同大予科 | 26−0 | ●台北高商 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第11回 | 昭和11年(1936)1.8 | ○明大予科 | 24−0 | ●普成専門 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第12回 | 昭和12年(1937)1.8 | ○明大予科 | 33−0 | ●明大専門部 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第13回 | 昭和13年(1938)1.8 | ○早大高等学院 | 10−3 | ●慶大予科 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第14回 | 昭和14年(1939)1.8 | ○早大専門部 | 11−8 | ●慶大予科 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第15回 | 昭和15年(1940)1.8 | ○慶大予科 | 34−3 | ●松山高商 | 花園ラグビー場 | 別所安次郎 |
第16回 | 昭和16年(1941)1.8 | ○慶大予科 | 13−5 | ●三重高農 | 花園ラグビー場 | 松見平八郎 |
第17回関西大会 | 昭和17年(1942)1.6 | ○甲南高校 | 57−5 | ●三重高農 | 花園ラグビー場 | 杉本 彰 |
〃 九州大会 | 昭和17年(1942)1.7 | ○福岡高商 | 40−3 | ●満州医大予科 | 春日原運動場 | 内田 |
第18回 | 昭和18年(1943)1.8 | ○明大専門部 | 17−11 | ●西南学院 | 花園ラグビー場 | 杉本 彰 |
昭和19年(1944) | 第二次世界大戦のため中断 | |||||
昭和20年(1945) | 〃 | |||||
昭和21年(1946) | 〃 | |||||
第19回 | 昭和22年(1947)1.7 | ○西南学院 | 18−3 | ●立命館専門 | 花園ラグビー場 | 杉本 彰 |
第20回 | 昭和23年(1948)1.7 | ○西南学院 | 11−9 | ●函館水産 | 花園ラグビー場 | 杉本 彰 |
第21回 | 昭和24年(1949)1.6 | ○西南学院 | 8−0 | ●函館水産 | 東京ラグビー場 | 不明 |
学制改革により以降は全国地区対抗大学大会(新制大学大会、全国大学大会を経て)に移行した。
ここまでを旧高専大会とし、優勝チームと優勝回数は次のとおり。
1 | 第三高等学校 | 5回 | (引き分け優勝1回を含む) |
2 | 慶大予科 | 3回 | |
2 | 明大予科 | 3回 | |
2 | 早大高等学院 | 3回 | |
2 | 西南学院 | 3回 | |
6 | 東京高師 | 2回 | |
7 | 同志社大学(引き分け優勝)、大阪高校、立大予科、同大予科、早大専門部、甲南高校(関西・九州分離開催)、福岡高商(関西・九州分離開催)、明大専門部 | 各1回 |
現在も継続している新高専大会は平成22年(2010)度[大会は昭和23年1月に行われている]で41回を数えた。仙台高専・名取(旧宮城工専)の10回、神戸市立工専の7回、都城工専の6回の優勝回数が際立っている。宮城工専は岡田將彦監督が長年にわたりチーム作りに腐心してこられた。優勝を重ねた指導者の方々、関係者と部員の努力に深甚なる敬意を表したい。
優勝チームと優勝回数は次のとおり。
1 | 仙台高専・名取(旧宮城工専) | 15回 | |
2 | 神戸市立工専 | 10回 | |
3 | 都城工専 | 6回 | (引き分け優勝1回を含む) |
3 | 奈良工業高専 | 6回 | |
5 | 函館工専 | 4回 | |
6 | 北九州工専 | 3回 | |
6 | 久留米工専 | 3回 | |
6 | 大阪府立工専 | 3回 | |
9 | 富山高専・射水(旧富山商船高専) | 2回 | |
10 | 佐世保工専、松江工専、宇部工専(引き分け優勝) | 各1回 |
回数 | 試合日 | 優勝チーム | スコア | 準優勝チーム | 開催地 | レフリー |
【全国高等専門学校大会決勝】 | ||||||
第1回 | 昭和46年(1971)1.7 | ○北九州工専 | 15−5 | ●大阪府立工専 | 天理市 | 宮崎俊行 |
第2回 | 昭和46年(1971)12.30 | ○北九州工専 | 27−8 | ●函館工専 | 天理市 | 河合正弘 |
第3回 | 昭和48年(1973)1.8 | ○北九州工専 | 38−16 | ●富山商船高専 | 京都市 | 河合正弘 |
第4回 | 昭和49年(1974)1.7 | ○函館工専 | 27−11 | ●富山商船高専 | 姫路市 | 荒川博司 |
第5回 | 昭和50年(1975)1.7 | ○富山商船高専 | 13−3 | ●函館工専 | 和歌山市 | 不明 |
第6回 | 昭和51年(1976)1.7 | ○函館工専 | 27−7 | ●富山商船高専 | 姫路市 | 土井春夫 |
第7回 | 昭和52年(1977)1.8 | ○富山商船高専 | 15−14 | ●都城工専 | 尼崎市 | 山禄秀司 |
第8回 | 昭和53年(1978)1.8 | ○函館工専 | 40−0 | ●宇部工専 | 姫路市 | 山禄秀司 |
第9回 | 昭和54年(1979)1.8 | ○佐世保工専 | 13−0 | ●神戸市立工専 | 尼崎市 | 森本 圭 |
第10回 | 昭和55年(1980)1.8 | ○久留米工専 | 7−3 | ●佐世保工専 | 姫路市 | 里見仁志 |
第11回 | 昭和56年(1981)1.8 | ○神戸市立工専 | 28−7 | ●都城工専 | 神戸市 | 平井信一郎 |
第12回 | 昭和57年(1982)1.8 | ○都城工専 | 21−4 | ●神戸市立工専 | 姫路市 | 市川明夫 |
第13回 | 昭和58年(1983)1.8 | ○大阪府立工専 | 16−4 | ●秋田工専 | 姫路市 | 市川明夫 |
第14回 | 昭和59年(1984)1.8 | ○松江工専 | 24−9 | ●都城工専 | 姫路市 | 辻野雅三 |
第15回 | 昭和60年(1985)1.8 | ○大阪府立工専 | 16−4 | ●松江工専 | 神戸市 | 太田 始 |
第16回 | 昭和61年(1986)1.8 | ○都城工専 | 21−9 | ●宮城工専 | 姫路市 | 松尾 啓 |
第17回 | 昭和62年(1987)1.8 | ○宮城工専 | 25−0 | ●宇部工専 | 神戸市 | 入江康平 |
第18回 | 昭和63年(1988)1.8 | ○宮城工専 | 10−0 | ●八代工専 | 神戸市 | 辻 茂樹 |
第19回 | 平成1年(1989)1.8 | △宇部工専 | − | △都城工専 | 神戸市 | 不明 |
(天皇崩御のため中止、双方優勝) | ||||||
第20回 | 平成2年(1990)1.8 | ○大阪府立工専 | 40−14 | ●都城工専 | 神戸市 | 田中伸明 |
第21回 | 平成3年(1991)1.8 | ○函館工専 | 16−14 | ●宮城工専 | 神戸市 | 阿世賀敏幸 |
第22回 | 平成4年(1992)1.8 | ○都城工専 | 16−14 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 渡辺 孝 |
第23回 | 平成5年(1993)1.11 | ○都城工専 | 10−3 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 田中伸明 |
第24回 | 平成6年(1994)1.9 | ○久留米工専 | 10−8 | ●都城工専 | 神戸市 | 田中伸明 |
第25回 | 平成7年(1995)1.9 | ○久留米工専 | 11−0 | ●都城工専 | 神戸市 | 金川吉延 |
第26回 | 平成8年(1996)1.9 | ○宮城工専 | 14−7 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 藤森憲昭 |
第27回 | 平成9年(1997)1.7 | ○宮城工専 | 27−3 | ●神戸市立工専 | 北九州市 | 石本月洋 |
第28回 | 平成10年(1998)1.9 | ○都城工専 | 18−15 | ●宮城工専 | 神戸市 | 港 雅和 |
第29回 | 平成11年(1999)1.9 | ○宮城工専 | 20−5 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 高岡秀行 |
第30回 | 平成12年(2000)1.9 | ○宮城工専 | 47−7 | ●函館工専 | 神戸市 | 原田隆司 |
第31回 | 平成13年(2001)1.9 | ○宮城工専 | 36−9 | ●久留米工専 | 神戸市 | 石本月洋 |
第32回 | 平成14年(2002)1.9 | ○神戸市立工専 | 13−5 | ●宮城工専 | 神戸市 | 原田隆司 |
第33回 | 平成15年(2003)1.9 | ○宮城工専 | 41−0 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 斉藤卓将 |
第34回 | 平成16年(2004)1.9 | ○神戸市立工専 | 29−5 | ●宮城工専 | 神戸市 | 田中敦夫 |
第35回 | 平成17年(2005)1.9 | ○神戸市立工専 | 53−15 | ●函館工専 | 神戸市 | 平林泰三 |
第36回 | 平成18年(2006)1.9 | ○神戸市立工専 | 32−7 | ●宮城工専 | 神戸市 | 篠原克行 |
第37回 | 平成19年(2007)1.9 | ○宮城工専 | 24−5 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 北中睦雄 |
第38回 | 平成20年(2008)1.9 | ○神戸市立工専 | 32−14 | ●宮城工専 | 神戸市 | 河野文高 |
第39回 | 平成21年(2009)1.9 | ○神戸市立工専 | 27−0 | ●奈良工専 | 神戸市 | 古賀善充 |
第40回 | 平成22年(2010)1.9 | ○奈良工専 | 8−5 | ●神戸市立工専 | 神戸市 | 山田智也 |
第41回 | 平成23年(2011)1.9 | ○仙台高専・名取(旧宮城工専) | 24−5 | ●奈良工専 | 神戸市 | 藤 実 |
第42回 | 平成24年(2012)1.9 | ○神戸市立高専 | 22−12 | ●仙台高専名取 | 神戸市 | 細樅勇二 |
第43回 | 平成25年(2013)1.9 | ○神戸市立高専 | 33−12 | ●仙台高専名取 | 神戸市 | 堀江 学 |
第44回 | 平成26年(2014)1.9 | ○仙台高専名取 | 5−0 | ●奈良工業高専 | 神戸市 | 小川朋弘 |
第45回 | 平成27年(2015)1.9 | ○仙台高専名取 | 50−0 | ●奈良工業高専 | 神戸市 | 河野哲彦 |
第46回 | 平成28年(2016)1.9 | ○仙台高専名取 | 25−24 | ●奈良工業高専 | 神戸市 | 清水 塁 |
第47回 | 平成29年(2017)1.9 | ○仙台高専名取 | 27−8 | ●奈良工業高専 | 神戸市 | 吉浦忠孝 |
第48回 | 平成29年(2017)12.27 | ○神戸市立高専 | 50−14 | ●仙台高専名取 | 神戸市 | 立川誠道 |
第49回 | 平成31年(2019)1.9 | ○奈良工業高専 | 14−12 | ●神戸市立高専 | 天理親里 | 加藤真也 |
第50回 | 令和2年(2020)1.9 | ○奈良工業高専 | 33−0 | ●仙台高専名取 | 神戸市 | 吉原崇宏 |
第51回 | 令和3年(2021)1.10 | ○奈良工業高専 | 43−0 | ●宇部工業高専 | 神戸市 | 辻原潤一郎 |
第52回 | 令和4年(2022)1.9 | ○奈良工業高専 | 76−17 | ●久留米工業高専 | 神戸市 | 山本篤志 |
第53回 | 令和5年(2023)1.9 | ○仙台高専名取 | 38−7 | ●津山工業高専 | 神戸市 | 八木聖也 |
第54回 | 令和6年(2024)1.9 | ○奈良工業高専 | 45−3 | ●仙台高専名取 | 神戸市 | 四辻順一朗 |