全国地区対抗大学大会トーナメント表
　前項の経緯のように、昭和23年(1948)度の学制改革により、高専大会が発展的に解消され、昭和25年(1950)度に全国新制大学大会として、名古屋瑞穂ラグビー場を舞台に生まれ変わった。第3回大会から全国大学大会、第18回大会から全国地区対抗大学大会と名称を変更して、平成22年度には第61回大会を迎えた。大学のトップチームへ飛躍していった関東学院大、帝京大など、たくさんのチームがこの大会から育っていった。その61回の歴史は次の6期に分けることができる。
第1期　西南学大時代　第1回～第10回
　九州の強豪西南学大は、3連覇を含めて5回の優勝［前身の高専大会を含めれば6連覇］を果たしている。この時代にこの大会の優勝を実績に、青学大、日体大が関東大学対抗戦に参戦した。
第2期　第1期戦国時代　第11回～第20回
　西南学大の全盛期が過ぎ、第12回大会での優勝と13回大会の準優勝最後に、ファイナリストになることはなかった。理由は定かでないが、一時代をなした九州の名門の凋落は寂しい。鹿児島大、岩手大［引き分け優勝を含む］が2回優勝、近畿大、国士舘大、成城大、福岡大、名城大、大阪学芸大［引き分け優勝］がそれぞれ優勝する戦国時代に入った。
第3期　第2期戦国時代　第21回～第30回
　戦国の中で、福岡大が引き分け優勝を含め、3回優勝し存在感を示している。名城大が2回優勝［いずれも引き分け優勝］。優勝チームの中に、東海大、帝京大、中京大、京産大［引き分け優勝］などのビックネームが見えるのも、この大会がトップレベルへの登竜門と呼ばれる所以か。その他広島大、九州産大、岩手大がチャンピオンに名を連ねる。
第4期　名城大・関東学大時代　第31回～第40回
　名城大は4回の優勝を果たし、地区対抗のリーダーとして自他共に認められる存在となった。また、いまや大学ラグビー界の盟主に駆け上がった関東学大が、この時期に活躍している。前期の30回大会決勝では岩手大に13−18で敗れたが、31回と33回大会で優勝、関東大学リーグ戦へ駒を進めている。32回大会決勝では7−51で名城大に大敗を喫しており、岩手大や名城大には、「俺たちは関東学大をやっつけたんだぞ!」と、誇らしげに酒を飲み交わすOBたちがいるんだなぁと想像するだけで楽しくなる。北海道大、神奈川大、国学院大、龍谷大がチャンピオンチームに輝いた。
第5期　武蔵工大、徳山大2強時代　第41回～第50回
　武蔵工大が3回、徳山大が2回の優勝を飾っている。武蔵工大は平成5年(1993)度の決勝で東北学院大に敗れたが、確実に力をつけて地区対抗の主役に躍り出た。東北学院大も2回優勝しているので2強といわれては不服だろうが、私は徳山大が3年連続で準優勝をしていることを評価する。この時期の優勝チームに摂南大、流経大、白鴎大が名を連ねる。
第6期　武蔵工大時代から第3期戦国時代へ　第51回～第61回
　51、53、55回大会と隔年に優勝を遂げてきた武蔵工大が、大学選手権から目標をこの大会に切り替えて再起を期す地元の雄、中京大はじめ愛知学院大、25年ぶりの福岡大、朝日大に盟主の座を明け渡し、再び戦国時代に突入した。61回大会では、関西の雄、大阪経済大が参戦して優勝した。