平成23年(2011)9月16日 G:ハミルトン R:ナイジェル・オーウェンズ(WAL)
No.509★271 第7回RWC2011 NZ大会 第2戦 NZ代表戦 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
2011年9月16日 G:ハミルトン R:ナイジェル・オーウェンズ(WAL) | ||||||
日本代表 | 7 | - | 83 | NZ代表 | ||
1 | 川俣 直樹(パナソニック) | 0 | 前 | 38 | 1 | トニー・ウッドコク |
2 | 青木 佑輔(サントリー) | 7 | 後 | 45 | C2 | ケヴィン・メアラム |
3 | 藤田 望(ホンダ) | 3 | オーウェン・フランクス | |||
4 | 大野 均(東芝) | 0 | T | 6 | 4 | ブラッド・ソーン |
5 | 北川 俊澄(トヨタ) | 0 | G | 4 | 5 | サム・ホワイトロック |
6 | 谷口 到(神鋼) | 0 | PG | 0 | 6 | ジェローム・カイノ |
7 | マイケル・リーチ(東芝) | 0 | DG | 0 | 7 | アダム・トンプソン |
C8 | 菊谷 崇(トヨタ) | 8 | ヴィクター・ヴィット | |||
9 | 日和佐 篤(サントリー) | 1 | T | 7 | 9 | アンディ・エリス |
10 | マリー・ウィリアムス(豊田自動織機) | 1 | G | 5 | 10 | コリン・スレイド |
11 | 小野澤 宏時(サントリー) | 0 | PG | 0 | 11 | リチャード・カフイ |
12 | 今村 雄太(神鋼) | 0 | DG | 0 | 12 | マーア・ノヌ |
13 | 平 浩二(サントリー) | 13 | コンラッド・スミス | |||
14 | 宇薄 岳央(東芝) | 11 | 反 | 11 | 14 | コーリー・ジェーン |
15 | 上田 泰平(ホンダ) | 15 | アイザイア・トエアヴァ | |||
交代【日】アリシ・トゥプアイレイ(キヤノン)⑬、ウェブ将武(コカ・コーラW)⑮、畠山健介(サントリー)③、北川勇次(パナソニック)⑤、バツベイ シオネ⑧、湯原祐希(東芝)②、吉田朋生(東芝)⑫ 【NZ】アンドリュー・ホア②、ソニー=ビル・ウィリアムズ⑭、アリ・ウィリアムズ⑧、ジミー・カウワン⑨、ピリ・ウィップー⑮、ジョン・アフォア③、アンソニー・ボーリッチ④ | ||||||
得点:T小野澤、Gアリシ・トゥプアイレイ |
フランス戦で、攻守の要であるNO8ホラニ龍コリニアシが膝を痛めて戦線離脱したことは、その後のメンバー編成に影を落とした。9月16日、ハミルトンのワイカトスタジアムでNZ代表オールブラックスとの対戦。ジョン・カーワンヘッドコーチは、中4日後に控えるトンガ戦、その後のカナダ戦に必勝を期すため、オールブラックス戦は主力を温存する編成で臨んだ。
NZもリッチー・マコウ主将、SOダン・カーターを負傷で欠いたが、ほぼベストメンバー。
開始4分にターンオーバーから一気のカウンターで最後はCTBマア・ノヌー、FBアイザイア・トエアヴァ、CTBコンラッド・スミスとつないで先制した後、日本がDF面で健闘して、オールブラックスに追加点を与えない時間帯が続いた。
FLマイケル・リーチがNZボールのラインアウトを奪い、SH日和佐篤が素早い出足で対面のアンディ・エリスをつぶす。
日本のしつこいプレーに手こずった証しとも言えるだろうが、地元ファンからのブーイングを浴びながらも10分にはNZがPGを狙う場面もあったが、これもSOコリン・スレードが失敗。このところ試合の入りに失敗することが多かったジャパンとしては、開始15分を1トライ1ゴールのみの7失点で乗り切ったのは、相手が世界ランキング1位のNZということを考えるなら、まずまずの立ち上がりと言えなくもなかった。ただし、日本にとっては「健闘」とも言えた時間帯も、オールブラックスにとっては、相手の実力や出方を見極めるものだったかもしれない。
「日本は良いストラクチャーを持っているチーム」あるいは、試合前からヘンリー監督がそんなふうに警戒していたことも、NZフィフティーンにとっては慎重に試合を進める要因になっていたのかもしれなかった。そして、間違いなくアタック力では世界一のチームにとって、相手の弱点を見極めるのは15分で十分だったのだ。16分にモールで日本DFを崩した後、再びCTBノヌー、FBトエアヴァとつないで、WTBリチャード・カフィが早くも今大会3個目となるトライを挙げて、オールブラックスは一気にギアアップ。以降、ハーフタイムまでに4トライを加えて、38-0で前半を終了した。「前半だけで13ミスタックル。これではNZ相手には難しい」ジョン・カーワンヘッドコーチの指摘どおり、若手中心のメンバーで臨んだジャパンは、時間の経過とともにオールブラックスのアタックを止められなくなっていった。後半に入っても前半の途中からNZに傾いた流れは、基本的には変わらなかった。
最終スコアは83-7。それでも、16年前のブルーム・フォンテインでも、日本が一矢(奪ったトライ自体は2トライだったが)を報いたシーンは印象的だったのと同じように、この日も日本が唯一奪ったトライに関しては十分賞賛に値するものだった。