平成24年(2012)5月19日 G:秩父宮 R:アザー・ユソフ(シンガポール)
No.515★277 第13回IRBアジア五カ国対抗2012 第4戦 香港代表戦 | ||||||
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2012年5月19日 G:秩父宮 R:アザー・ユソフ(シンガポール) | ||||||
日本代表 | 67 | - | 0 | 香港代表 | ||
1 | 長江 有祐(リコー) | 29 | 前 | 0 | 1 | イアン・リッジウェイ |
2 | 木津 武士(神鋼) | 38 | 後 | 0 | 2 | トーマス・ボーランド |
3 | 畠山 健介(サントリー) | 3 | スティーブン・ノーラン | |||
4 | 大野 均(東芝) | 5 | T | 0 | 4 | チャールズ・フレンチ |
5 | 真壁 伸弥(サントリー) | 2 | G | 0 | 5 | ダニエル・ワトソン |
6 | 望月 雄太(東芝) | 0 | PG | 0 | 6 | ニコラス・ヒューソン |
7 | 佐々木 隆道(サントリー) | 0 | DG | 0 | 7 | マーク・ライト |
8 | マイケル・リーチ(東芝) | C8 | バレ・タウティ | |||
9 | 日和佐 篤(サントリー) | 6 | T | 0 | 9 | カドー・リー |
10 | 小野 晃征(サントリー) | 4 | G | 0 | 10 | キース・ロバートソン |
11 | 小野澤 宏時(サントリー) | 0 | PG | 0 | 11 | ローワン・バーティー |
12 | 田村 優(NEC) | 0 | DG | 0 | 12 | リー・ジョーンズ |
13 | 仙波 智裕(東芝) | 13 | アンソニー・ヘインズ | |||
C14 | 廣瀬 俊朗(東芝) | 12 | 反 | 14 | 14 | ユ・カム・シン |
15 | 五郎丸 歩(ヤマハ) | 15 | ロス・アーマー | |||
交代【日】伊藤鐘史(神鋼)⑤、山下裕史(神鋼)①、立川理道(クボタ)⑩、有田隆平(コカ・コーラW)②、長友泰憲(サントリー)⑬、桑水流裕策(コカ・コーラW)④、藤井淳(東芝)⑨ 【香】ジャック・ベネット③、マーク・グーセン⑥、ティム・アレキサンダー⑨、アレキサンダー・マックイーン⑫、アレキサンダー・ハリス②、マイケル・ウォーラー④、マイケル・グランシー⑩ シンビン=リーチ(日)、ボーランド(香) | ||||||
得点:T畠山、佐々木、リーチ、小野、小野澤2、田村、廣瀬、五郎丸、有田、伊藤、G五郎丸6 |
不安定になりがちな立ち上がりの時間帯に自陣から粘り強く続けた攻撃をトライにつなげたことで、試合は一気に日本ペースとなる。8分にはCTB仙波智裕のラインブレイクからチャンスをつかむと、SO小野晃征がパスダミーで相手防御のギャップを突いてトライラインに迫り、最後はFL佐々木隆道が飛び込んで2トライ目。17分にも、ゴール前ラインブレイクから右サイドを攻めた後、左展開すると、香港の防御はまったく対応できず、小野が外側に小野澤を余らせながら余裕をもって3トライ目を奪った。さらに、27分に廣瀬、35分には小野澤と両WTBがトライを重ねて、前半だけで5トライ。小野澤のトライは日本代表としてテストマッチ50トライ目となる記念すべきものだった。
小野澤は後半2分、ゴール前のラックサイドの小さなスペースを走り抜けて51トライ目を記録、テストマッチでのトライ数で世界4位の記録保持者となった。それでも本人は「僕のトライはどうでもいい。(こういうラグビーをしていくという具体的な)イメージが沸いてきている選手が多くなってきている。今までは手探りの部分もあったのが、これからは加速して成長していくのではないか」と、チームが進んでいる方向の確かさを喜んでいた。「まだピークを迎えていない」とジョーンズHCから評されるベテランWTBのこのトライを皮切りに、日本は後半も6トライを重ね、守っては最後まで香港にトライラインを割らせなかった。
アジアでは勝って当たり前とはいえ、昨年苦戦した相手に完璧な内容で勝利したことに、廣瀬主将は試合後の記者会見で「新しいチーム、新しいヘッドコーチ、新しいキャプテンでチャンレンジしながら、ワンチームになれた結果。アジアチャンピオンになれたことを素直に喜びたい」と、ホッとした表情で語った。試合3日前の練習では集中力を欠いた選手たちにジョーンズHCからカミナリが落ちたが、本番での引き締まったパフォーマンスに主将も手応えを感じたのだろう。
もちろん、「2015年のワールドカップまで40試合」(ジョーンズHC)という道のりのまだ4試合を終えたばかり。当然ながら、この程度の成長で満足するわけにはいかない。「フィットネスも力強さもまだまだ足りない」。A5Nでは最高のパフォーマンスと評価したジョーンズHCも「世界のトップ10入り」という目標を見据えれば評価は厳しくなる。