テストNo.278 パシフィック・ネーションズカップ 第1戦 フィジー代表戦

English 写真 機関誌
平成24年(2012)6月5日 G:瑞穂 R:ジョン・レイシー
日本代表 19-25 フィジー代表
No.516★278 第7回IRBパシフィック・ネーションズカップ 第1戦 フィジー代表
2012年6月5日 G:瑞穂 R:ジョン・レイシー
日本代表19-25フィジー代表
1長江 有祐(リコー)9141グレアム・デュース
2木津 武士(神鋼)10112ヴィリアメ・ヴェイコス
3畠山 健介(サントリー)3セテファノ・ソモザ
4真壁 伸弥(サントリー)0T24アピ・ナイカティニ
5大野  均(東芝)0G25レオナ・ナカラワ
6望月 雄太(東芝)3PG06イリエサ・ラトゥヴァ
7佐々木 隆道(サントリー)0DG07マラカイ・ラヴロ
8マイケル・リーチ(東芝)C8ネタニ・タレイ
9日和佐 篤(サントリー)1T19ニコラ・マタワル
10小野 晃征(サントリー)1G010セタル・コロイランギランギ
11小野澤 宏時(サントリー)1PG211ワテソニ・ヴァトゥ
12立川 理道(クボタ)0DG012イサケ・カトニンバウ
13仙波 智裕(東芝)13ヴェレニキ・ゴネヴァ
C14廣瀬 俊朗(東芝)121214ワイセヤ・ナヤザレヴ
15五郎丸 歩(ヤマハ)15シメリ・コニフェレンディ
交代【日】ニコラス ライアン(サントリー)⑫、山下裕史(神鋼)①、有田隆平(コカ・コーラW)②、菊谷崇(トヨタ)⑧、伊藤鐘史(神鋼)⑥、藤井淳(東芝)⑨、長友泰憲(サントリー)⑭ 【フ】ケレヴィ・ケテンドロモ④、ワイセア・タヴェタ①、アロイシオ・ブト⑬、サム・ボラ⑧、セレマイア・ナウレウレ②、ケレメンディ・ボラ⑨、ベネンディト・コロイ⑭
得点:T ペナルティトライ、G五郎丸、PG五郎丸4

 これまでの試合とは違う精神状態が影響したのか、立ち上がり、ジョーンズHCが率いてからの日本代表では考えられないネガティブなプレーも飛び出した。自陣22m内で余裕を持ってボールを受け取った佐々木がキックでエリアをとる選択をしたのだ。「我々はワールドラグビーで日本がいかに勝っていくか探しているところ。その鍵はアタックし続けることだと信じている。キックというアイディアはない」。ジョーンズHCが就任以来植え付けてきたはずの攻め続ける姿勢とは全く異なるプレー選択だ。「どこか冷静じゃなくて、自分に余裕がなかったのかもしれない。2度としません」。佐々木は試合後、反省しきりだったが、一方で外からのコールもなかったようで、余裕がなかったのは佐々木だけではなかったのも確かだろう。
「(当たりの強さに関しては)予想どおりではあったが、やはりビックリした」とFL望月雄太。恵まれた運動能力を誇る南太平洋の大男たちとの対峙に戸惑いながらも、自分たちのテンポでアタックを続けてトライチャンスを作り出す場面もあったジャパン。しかし、ここという場面のミスが響いて、最終的に奪えたトライは後半22分のモールでの認定トライのみだった。
 逆に、フィジーのCTBアイサケ・カトニンバウ副将が「日本はミスが多く、そこを自分たちがものにした」と試合後に振り返った通り、日本は攻め込んだところでのターンオーバーからカウンターアタックを許して3トライを奪われた。
「ターンオーバーの瞬間はお互いに時間がないので、アタック側も小難しいことはできない」とPNCでの戦いを知り尽くしている小野澤。シンプルなアタックを仕掛けてきたフィジアンを止めるだけの個々の強さも、チームDFの成熟度も、現時点では日本代表には備わっていなかった。
 その結果の3トライ献上と、6点差負け。それでも、試合後、日本代表にはポジティブな空気が漂っていた。廣瀬主将は「勝てなかったのは残念だけど、下を向いている暇もないし、下を向く内容でもない。まだまだ発展途上のチーム。今後うまくなっていくため、本当にいい勉強になった」。