テストNo.327 リポビタンDチャレンジ2016 テストマッチ スコットランド代表 第1戦

平成28年(2016)6月18日 G:豊田スタジアム R:ベン・オキーフ(NZ)

日本代表 13-26 スコットランド代表

No.566★327 リポビタンDチャレンジ2016 スコットランド代表第3回来日 第1戦
2016年6月18日 G:豊田スタジアム R:ベン・オキーフ(NZ)
日本代表 13 26 スコットランド代表
1 稲垣 啓太(パナソニック) 10 16 1 アラスデア・ディッキンソン
C2 堀江 翔太(パナソニック) 3 10 2 スチュアート・マキナリー
3 畠山 健介(サントリー) 3 WP・ネル
4 大野  均(東芝) 1 T 1 4 リッチー・グレイ
5 小瀧 尚弘(東芝) 1 G 1 5 ジョニー・グレイ
6 ツイ ヘンドリック(サントリー) 3 PG 1 6 ジョン・バークレー
7 金  正奎(NTTコム) 0 DG 0 7 ジョン・ハーディー
8 アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコム) 8 ライアン・ウィルソン
9 茂野 海人(NEC) 1 T 0 C9 グレイグ・レイドロー
10 田村  優(NEC) 1 G 0 10 ルアーリー・ジャクソン
11 笹倉 康誉(パナソニック) 1 PG 1 11 ダミアン・ホイランド
12 立川 理道(クボタ) 0 DG 0 12 マット・スコット
13 ティム・ベネット(キヤノン) 13 ダンカン・テイラー
14 パエア ミフィポセチ(NTTドコモ) 14 16 14 トミー・シーモア
15 松島 幸太朗(サントリー) 15 スチュアート・ホッグ
交代【日】松田力也(帝京大)⑮、内田啓介(パナソニック)、垣永真之介(サントリー)③、山本浩輝(東芝)⑥ 【ス】ローリー・サザーランド①、フレザー・ブラウン②、ショーン・マイトランド⑪、モリー・ロー③、デイビッド・デントン⑧、ティム・スウィンソン④、ピーター・ホーン⑬  シンビン=ツイ、松田(日)、ペナルティトライ1(ス)
得点:T堀江、G田村、PG田村2

 テストマッチ。勝利のみが善、スコアで上回ればそれでよい。スコットランドは有史以来、何百回と戦ってきたテストマッチそのままの攻防をまっとうした。万事に緩みはなく、「ほぼ必ず得点できる」PG選択を続けた。昨年のワールドカップ以来、たくましくなった日本ラグビーの抵抗は織り込み済み、ただ白星をつかめばよいとひたすらゲームを制御した。

 ジャパンは万事に過剰であった。ラックの争奪に人員を投じて激しく全身でぶつかり、計15ものP(1FK)を重ね、トライ阻止と見なされた意図的ノックオン(途中出場の松田力也)、モール崩し(FLツイ ヘンドリック)で2枚のイエローカードを突き出され、反則を得ては鋭く速攻を仕掛けてスタンドを喜ばせながら、そのうち複数回をみずからの反則で終えた。ただし、それが何もかも悪いわけではない。開始8分。ジャパンは、この夜の収穫、7番金正奎の見事な絡みでPを獲得、歯切れのよいパストランの光るSH茂野海人が迷わずクイックで攻め、頼もしきNO8、アマナキ・レレィ・マフィは加速力とストライドの幅をいかして突破、CTB立川理道へつなぎ、茂野-SO田村優-HO堀江翔太でインゴールへ躍り込んだ。過剰な速さの呼んだトライだった。

 ジャパンはどこかで、たとえばクイックネス、闘争心、低さのような領域で「極端」でなければ強豪国を破れない。問題は、選んだゲームプランのさなかの判断のズレ、さらにセットプレーの精度不足だ。攻守に浮かんだのは「ストラテジー(作戦計画)の意思統一がまだ足りない」という現実である。

 勝負の分かれ目があった。6点先行のスコットランドがアタックの後半キックオフ。右へ方向を定めると、14番のトミー・シーモアがダイレクトで捕球、怒涛のアタックで左ゴール前スクラムを獲得、トライへ結んだ。ジャパンは悪くないスコアで折り返したはずだった。なのに、いきなりの失点で心理的優位は消えた。

 収穫は、2年前、帝京と早稲田で大学のファイナルを争った若きFW、LO小瀧尚弘と金がともに力を発揮したことだ。

 堀江主将に両社について感想を求めたら「いいですね」と声を強め、現役学生の松田を含めて「2019年(のW杯日本大会)へつながる」と続けた。