テストNo.332 リポビタンDツアー2016 日本代表欧州遠征 第3戦 フィジー代表戦

平成28年(2016)11月26日 G:フランス・ラビーネS R:クレイグ・ジュベール(SA)

日本代表 25-38 フィジー代表

No.571★332 リポビタンDツアー2016 欧州遠征2016 第3戦 フィジー代表
2016年11月26日 G:フランス・ラビーネS R:クレイグ・ジュベール(SA)
日本代表 25 38 フィジー代表
1 仲谷 聖史(ヤマハ) 6 21 1 ペニ・ラヴァイ
C2 堀江 翔太(パナソニック) 19 17 2 スニア・コト
3 畠山 健介(サントリー) 3 マナサ・サウロ
4 梶川 喬介(東芝) 0 T 3 4 ネミア・ソンゲタ
5 アニセ サムエラ(キヤノン) 0 G 3 5 レオネ・ナカラワ
6 マルジーン・イラウア(東芝) 2 PG 0 6 ドミニコ・ワンガニンブロトゥ
7 布巻 峻介(パナソニック) 0 DG 0 7 ペゼリ・ヤト
8 アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコム) C8 アカプシ・ンゲラ
9 田中 史朗(パナソニック) 3 T 2 9 ニコラ・マタワル
10 田村  優(NEC) 2 G 2 10 ベン・ヴォラヴォラ
11 福岡 堅樹(パナソニック) 0 PG 1 11 ネマニ・ナンドロ
12 立川 理道(クボタ) 0 DG 0 12 レヴァニ・ボティア
13 ティモシー・ラファエレ(コカ・コーラ) 13 アルバート・ヴリヴリ
14 山田 章仁(パナソニック) 7 15 14 メトゥイセラ・タレンブラ
15 松島 幸太朗(サントリー) 15 キニ・ムリムリヴァル
交代【日】伊藤平一郎(ヤマハ)③、松橋周平(リコー)⑦、東恩納寛太(キヤノン)①、谷田部洸太郎(パナソニック)④、アマナキ・ロトアヘア(リコー)⑫、カーン・ヘスケス(宗像サニックス)⑭、日野剛志(ヤマハ)②、内田啓介⑨ 【フィ】アピ・ラトゥニヤラワ④、トゥアバティ・タレマイトンガ②、ナウリア・ダワイ⑥、リーロイ・アタリフォ⑤、ワイセア・ナヤザレヴ⑫、チョエリ・ヴェイタヤキ①、セルペペリ・ヴラリカ⑨  シンビン=ヤト(フ)(2回累積で退場)
得点:Tイラウア、松島2、G田村2、PG田村2

 遠征最終戦は、11月26日、フランスのヴァンヌで行われ、ここではフィジー代表に25-38で敗れてしまう。

「今まではフィジーに対してセットピースで戦ってきた。そこを変えて、意図的にアンストラクチャーに持っていき、その中にストラクチャーを入れて戦いたい。新たなチャレンジ」(CTB立川理道共同主将)

 フィジーに対してあくまで自分たちが構築し始めた新しいスタイルを貫くー結果的には、野心的なこの実験はうまくいかなかった。「自分たちのミスから最初の何個かのトライを与えた」(ジョセフHC)

 登録メンバーの半数以上がフィジーとは初対戦。想像を超えるプレッシャーもあったのだろうが、前半32分、危険なプレーで退場者を出し、14人のフィジー相手にキックミス、タックルミス、ポジショニングミス。ウエールズ戦では目立たなかった致命的なミスで、、前半だけで3トライを重ねられる一方的な展開に。「しっかり気持ちを入れて、もう一度、ひっくり返そう。」(HO堀江翔太共同主将)ハーフタイムにそう確認した矢先、敵陣に攻め込みながらのパスミスと、それに反応できない集中力の欠如でフィジーに4トライ目を許し、勝敗は決した。「フラットだった。」試合後、ジョセフHCはミスが起こった原因をそんな表現で説明した。つまり「元気がなかった。」。「素早くポジションを取ろうとしたが、スローだった。」全員で同じページを見ることができなかった。たぶんエナジーの問題。やることがわかっていてもエナジーがなければ、まわりをサポートするのは難しい」不安要素は試合前からジャパンの周辺に漂っていた。

 前述の「新たなチャレンジ」は試合2日前に聞けた決意だったが、言葉を発した立川共同主将本人には、疲労感が色濃く滲んでいるように見えた。同時に接したHO堀江翔太共同主将は「ウエールズ戦というビッグゲームの後だし、モチベーションが心配」と告白してもいた。

 途中出場したFL松橋周平は、グラウンドの外側から見ていた最初の40分間のジャパンらしくなさに、もどかしさを感じていた。「変なミスがおきたり、日本っぽくなかった。みんな、真剣にやっている。でも、やはりメンタルの部分。もっとしっかりやるべきだった」

 その松橋をはじめ、いつも以上に早めに投入された交代選手たちが、足りなかったエネルギーをジャパンに注ぎ込んだこともあって、最後の20分強は日本の時間帯に。

 FB松島幸太朗が2度、FLマルジーン・イラウアが1度、いずれも組織として相手防御を崩しつつ、個人能力も発揮してのトライライン越えに成功。このチームがトライを取ることにとても有能な、相手にとっては危険なチームであることを改めて証明したが、この日に限っては勝敗には何ら影響を及ぼさず、最終スコアは25-38。(ラグビーマガジン2017年2月号から抜粋)