平成30年(2018)6月16日 G神戸・ノエビアS R:ニック・ブライアント(NZ)
No.583★344 リポビタンDチャレンジ2018 イタリア代表第4回来日 第2戦 | ||||||
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2018年6月16日 G神戸・ノエビアS R:ニック・ブライアント(NZ) | ||||||
日本代表 | 22 | - | 25 | イタリア代表 | ||
1 | 稲垣 啓太(パナソニック) | 3 | 前 | 12 | 1 | アンドレーア・ロヴォッティ |
2 | 堀江 翔太(パナソニック) | 19 | 後 | 13 | C2 | レオナルド・ギラルディーニ |
3 | 具 智元(ホンダ) | 3 | ティツィアーノ・パスクアーリ | |||
4 | ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ) | 0 | T | 2 | 4 | アレッサンドロ・ザンニ |
5 | アニセ サムエラ(キヤノン) | 0 | G | 1 | 5 | ディーン・ブード |
6 | 徳永 祥尭(東芝) | 1 | PG | 2 | 6 | セバスチャン・ネーグリ |
C7 | リーチ マイケル(東芝) | 0 | DG | 0 | 7 | ジョヴァンニ・リカータ |
8 | 姫野 和樹(トヨタ) | 8 | アブラハム・ユルゲンステイン | |||
9 | 田中 史朗(パナソニック) | 3 | T | 1 | 9 | マルチェッロ・ヴィオリ |
10 | 田村 優(キヤノン) | 2 | G | 1 | 10 | トンマーゾ・アラン |
11 | 福岡 堅樹(パナソニック) | 0 | PG | 2 | 11 | マッティア・ベッリーニ |
12 | ラファエレ ティモシー(コカ・コーラ) | 0 | DG | 0 | 12 | トンマーゾ・カステッロ |
13 | ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ) | 13 | ミケーレ・カンパニャーロ | |||
14 | レメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ) | 11 | 反 | 12 | 14 | トンマーゾ・ベンヴェヌーティ |
15 | 松島 幸太朗(サントリー) | 15 | マッテーオ・ミノッツイ | |||
交代【日】アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコム)⑥、流大(サントリー)⑨、ヘル ウヴェ(ヤマハ)④、松田力也(パナソニック)⑩、中村亮土(サントリー)⑫、石原慎太郎(サントリー)①、浅原拓真(東芝)③、庭井祐輔(キヤノン)② 【イ】シモーネ・フェッラーリ③、ティト・テバルディ⑨、ジュリオ・ビゼーニ⑬、シェリフ・トラオーレ①、マルコ・フセール④、ルーカ・ビージ②、ジョヴァンニ・リカータ⑦ シンビン=アニセ(日)、リカータ(イ) | ||||||
得点:Tトゥポウ、マフィ、松島、G松田2、PG田村 |
神戸での第2戦では雪辱に燃えるイタリアの気迫に劣勢を強いられ、終盤に猛追したものの、あと一歩が届かず3点差で敗戦。
2万276人のファンは静かに前半40分を過ごすことになる。史上初めてティア1国からの連勝が期待されていた一戦で、序盤から満点のパフォーマンスを見せたのは前週に完敗したイタリアだった。FWが近場で前へ、前へと出続けて、大分で奏功したジャパン防御のラインスピードを鈍らせた。来征の青いジャージィは、どれだけ前半を制圧したか。ESPNの試合スタッツWebサイト上の数字では、ポゼッションがイタリア=71%、日本=29%、テリトリーがイタリア77%、日本23%と圧倒的だった。ジャパンが22mライン内に攻め入ったのは一度で、前半10分過ぎのスクラム時だけ。そこからのアタックで相手反則を誘い、PGを得たが、これをSO田村が外して先制機を逃す。キックオフ直後からの相手の猛攻を凌ぎ切った後だっただけに、決めればチームが求めていたモメンタムが高まったはずのシーンだった。しかし、その後も続いたイタリアのパフォーマンスを見れば、勝敗に直結したプレーとは言えない。
イタリアに許した先制点は、ジャパンがスクラムから攻め、前進したWTB福岡が蹴り込んだボールを切り返されたものだ。FBジェイデン・ヘイワードにビッグゲインされ、WTBトンマーゾ・ベンヴェヌーティに決められた。キックチェイスがなく、一気に攻略された(19分)。2つめのトライは、20分過ぎに立て続けに反則を取られて攻め込まれ、最後はラインアウトからインゴールに入られた。そんな劣勢の中でも、完全に崩されることはなく、34分、イタリアボールのスクラムを押してPGを奪取し、3点を返した。
3-12で迎えた後半、開始3分にラインアウトからのアタックでFLジェイク・ポッレードリにゴールポスト下へ飛び込まれて差を広げられた。残り35分で16点のビハインド。この日はリザーブだったアマナキ・レレィ・マフィ(軽い足首のケガと疲労の蓄積で、この日は徳永祥尭がFLで先発し、姫野和樹がNO8)、SH流を後半開始と同時に投入していたサクラのジャージィは、ここからテンポを上げ、敵陣に入る頻度も高くなった。しかし、沈黙の前半を経て逆転勝ちできるだけの力をジャパンは持っていなかった。日本ラグビーがどれだけ進化しようが、海外上位国相手に40分間思い通りに過ごされたら勝てない。終盤に走り勝ち、追い詰めても、勝ちきれない。それを痛感する結末となった。チームの思い描いていた通り、後半20分過ぎからはジャパンの時間帯になった。投入されたSO松田力也、CTB中村亮土らフレッシュレッグズが躍動して、やっと自分たちのリズムに持ち込めたからだ。「まだ時間はあると感じていました。相手の足が止まることも(防御が)空くことも分かっていた。外から見ていて(自分が)入ったら攻めるスペースも見えていました。」そう言った松田は、後半20分、自身のファーストタッチとなるラインアウトからの攻撃で、CTBウィリアム・トゥポウのトライを演出した。その5分後には、相手反則からSH流が速攻を仕掛けて振り回し、最後はマフィが右中間に飛び込んだ。コンバージョンも決まって17-19と迫る(後半25分)。
しかし32分、35分と加点したのはイタリアだった。モールとブレイクダウンでジャパンの反則を誘い、2PGを追加(17-25)。
追われる側にはまだ体力が残っていた。試合終了直前、ジャパンはラインアウトから攻め、相手反則後もボールを動かし続け、松島幸太朗がトライ。松田のコンバージョンも決まったが、3点届かなかった。(ラグビーマガジン2018年8月号より抜粋)