テストNo.351 ワールドラグビー パシフィックネーションズカップ2019 アメリカ代表戦

English 写真 機関誌
令和元年(2019)8月10日 G:ANZスタジアム(フィジー) R:グレン・ジャクソン (NZ)
日本代表 34-20 アメリカ代表
No.590★351 ワールドラグビー パシフィックネーションズカップ2019 アメリカ代表
2019年8月10日 G:ANZスタジアム(フィジー) R:グレン・ジャクソン(NZ)
日本代表34-20アメリカ代表
1稲垣 啓太(パナソニック)20131チャンス・ウェングリュースキー
2堀江 翔太(パナソニック)1472マイク・ソセネフェアガイ
3ヴァル・アサエリ愛(パナソニック)3ポール・ミューレン
4ジェームス・ムーア(サニックス)2T14ネイト・ブレイクリー
5ヘル ウヴェ(ヤマハ)2G15グレッグ・ピーターソン
C6リーチ マイケル(東芝)2PG26マロン・アルジボーリ
7ピーター・ラブスカフニ(クボタ)0DG07ハンコ・ハーミシャイズ
8ツイ ヘンドリック(サントリー)8ジャマソン・ファナナシュルツ
9田中 史明(キヤノン)2T19ショーン・デービス
10田村  優(キヤノン)2G110AJ・マクギンティ
11福岡 堅樹(パナソニック)0PG011マディソン・ヒューズ
12ラファエレ ティモシー(神戸製鋼)0DG012ポール・ラシケ
13ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)13マーセル・ブレーシュ
14松島 幸太郎(サントリー)C14ブレイン・スカリー
15山中 亮平(神戸製鋼)15ウィル・ホーリー
交代【日】流大(サントリー)⑨、ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ)⑤、姫野和樹(トヨタ)⑥、坂手淳史(パナソニック)②、レメキ ロマノラヴァ(ホンダ)⑮、松田力也(パナソニック)⑩、山本幸輝①、木津悠輔(トヨタ)③ 【ア】ウィル・マギー⑩、デーヴィッド・アイヌウ①、ネイト・オーギュスパーガー⑨、スレトン・パラモ⑪、ベン・ランドリー⑤、ベン・ピンケルマン⑥、パディー・ライアン③、ディラン・フォーシット②
得点:Tリーチ2、福岡、山中、G田村4 、PG田村2

 滑り出しは順調。3分、ラインアウトモールからFLリーチ マイケル主将の先制トライに始まり、11分には自陣22mのラインアウトからPR稲垣、HO堀江とFWが早いパスでつなぎ、最後はWTB松島からパスを受けた福岡がフィニッシュ。開始12分で17点のリードを奪った。
 だが、その流れは突如せき止められた。14分、相手ボールのファーストスクラム。そこから繋がれ、最後はWTBマディソン・ヒューズがトライ。パワーに勝る相手FWに続けて突破を許し、ゴール前ディフェンスがほころびた(17-7)。その後はスクラムで日本が反則を取られ始める。アタックチャンスでもミスで追加点が奪えない。停滞した中で、互いにPGを決めあい、前半は20-13で終了。
 後半のキックオフ、再び日本が勢いを取り戻す。1分、田村の好タッチキックで相手陣に入ると、ラインアウトからFWが辛抱強く縦を突き、空いたスペースにFB山中が飛び込んだ(27-13)。15分には相手キックをキャッチした福岡からボールを受けた山中がライン際を30m近くゲイン。リーチ主将の2本目のトライに結び付け、よどんでいた流れを、元に戻した。山中はサンウルブズ以来、3か月ぶりの実戦。「緊張して硬かった。」と、前半はキックのキャッチミスもあったが、すぐに激しいセービングで取り返し、勝利を決めるトライにも絡み、W杯メンバー入りへアピールした。
 最終スコアは34-20。アメリカは南ア出身のゴールドHC(’14年に神戸製鋼を指導)の指導の下、よりフィジカルに強さを増していた。そのゴールドHCは「前半、我々が3回ミスをしたら、その全てを得点に結びつけてきた。日本は速いテンポのチームでスキルも高い。」と日本を高く評価。山中に関しても、「成熟している。彼の代表入りは私にとっても誇り」と称賛した。
 日本は前半、ボールを動かそうとしたが、相手のフィジカルに圧力を受け、ポゼッションに苦しんだ。後半、精度の高いキックを効果的に使い、流れを取り戻した。この日の内容は、日本代表が自分たちでゲームをコントロールする力がついたことを表すものだ。W杯前にやるべきことは、試合中のレフリングへの対応だ。特にスクラムに関するレフリングは、試合を左右することもあり得、堀江、稲垣ともに慎重になっている。
 ジェイミー・ジョセフHCは「日本はベストの状態ではなかったが、これはこのような大会では仕方ないこと。W杯に向けて、よい予行演習になった。」と、おおむね合格点をつけた。