テストNo.363 欧州ツアー2021 第3戦 スコットランド代表戦

令和3年(2021)11月20日 G:マレーフィールド(スコットランド) R:ブレンダン・ピッカリル(NZ)

日本代表 20-29 スコットランド代表

対戦日2021/11/20 (土) Kick off22:00
競技場マレーフィールド観客数--
天候雨時々止む/無風グラウンド
状態
良い
ドクター
記録係JRFU広報部門
レフリーBrendon Pickerillsign
アシスタントレフリー
  • Paul Williams
  • Andrea Piardi
マッチコミッショナーsign
TMOStuart Berry
スコットランド代表
#Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1ジェイミー・バティ(187/120/28)
Glasgow Warriors
FW
2ジョージ・ターナー(180/105/29)
Glasgow Warriors
3ザンダー・フェーガーソン(188/126/25)
Glasgow Warriors
4スコット・カミングズ(198/116/24)
Glasgow Warriors
5グラント・ギルクリスト(202/117/31)
Edinburgh Rugby
6ジェーミー・リッチー(193/105/25)
Edinburgh Rugby
7ハミッシュ・ワトソン(185/102/30)
Edinburgh Rugby
8ジョシュ・ベイリス(193/107/24)
Bath Rugby
9アリ・プライス(178/85/28)
Glasgow Warriors
HB
10フィン・ラッセル(183/92/29)
Racing 92
11ドゥハン・ファンデルメルヴァ(193/106/26)
Edinburgh Rugby
TB
12サム・ジョンソン(185/95/28)
Glasgow Warriors
13クリス・ハリス(188/102/30)
Gloucester Rugby
14ダーシー・グレアム(176/75/24)
Edinburgh Rugby
15スチュアート・ホッグ(180/93/29)
Exeter Chiefs
FB
16スチュアート・マキナリー(190/108/31)
Edinburgh Rugby
Re.
17ピエール・スクーマン(184/118/27)
Edinburgh Rugby
18ジェイバン・セバスチャン(177/118/27)
Scarlets
19サム・スキナー(196/111/26)
Exeter Chiefs
20ディラン・リチャードソン(183/104/22)
Cell C Sharks
21マット・フェーガーソン(185/102/23)
Glasgow Warriors
22ジョージ・ホーン(174/82/26)
Glasgow Warriors
23ブレア・キングホーン(193/107/24)
Edinburgh Rugby

※背番号の白抜きはキャプテン

日本代表
#Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1クレイグ・ミラー(186/116/31)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
FW
2坂手淳史(180/104/28)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
3ヴァルアサエリ愛(187/115/32)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
4ジャック・コーネルセン(195/110/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
5ジェームス・ムーア(195/110/28)
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
6リーチマイケル(189/113/33)
7ピーター・ラブスカフニ(189/106/32)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
8姫野和樹(187/112/27)
トヨタヴェルブリッツ
9流大(166/75/29)
東京サントリーサンゴリアス
HB
10松田力也(181/92/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
11シオサイア・フィフィタ(187/105/22)
花園近鉄ライナーズ
TB
12中村亮土(181/92/30)
東京サントリーサンゴリアス
13中野将伍(186/100/24)
東京サントリーサンゴリアス
14松島幸太朗(178/88/28)
15山中亮平(188/100/33)
コベルコ神戸スティーラーズ
FB
16堀越康介(175/100/26)
東京サントリーサンゴリアス
Re.
17稲垣啓太(186/116/31)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
18垣永真之介(180/115/29)
東京サントリーサンゴリアス
19ベン・ガンター(195/120/24)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
20テビタ・タタフ(183/124/25)
東京サントリーサンゴリアス
21齋藤直人(165/73/24)
東京サントリーサンゴリアス
22田村優(181/92/32)
横浜キヤノンイーグルス
23ディラン・ライリー(187/102/24)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
得点
HomeAway
前半後半前半後半
31T01
21G00
00PT00
01PG23
00DG00
1910614
29合計20
反則
PKFKPKFK
60前半50
50後半41
110合計91

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替後半14分2 → 16
入替後半14分1 → 17
入替後半22分6 → 21
入替後半22分9 → 22
入替後半23分3 → 18
入替後半23分14 → 23
入替後半31分7 → 20
入替後半32分4 → 19

Home 一時的退場

時間背番号内容
後半9分 → 後半14分7 → 17シンビン

Away 交替/入替

種類時間背番号
入替後半0分13 → 23
入替後半22分1 → 17
入替後半22分3 → 18
入替後半22分6 → 20
入替後半22分15 → 22
入替後半31分9 → 21

Away 一時的退場

時間背番号内容

Home カード/処分

種類時間背番号内容
イエロー後半3分1妨害

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : 日本代表 /後半Kick off : スコットランド代表

前半チーム名#.Name
6分スコットランド11.ドゥハン・ファンデルメルヴァT5-0
7分スコットランド10.フィン・ラッセルGx5-0
11分日本代表10.松田力也PG5-3
15分日本代表10.松田力也PGx5-3
26分日本代表10.松田力也PG5-6
28分スコットランド15.スチュアート・ホッグT10-6
29分スコットランド10.フィン・ラッセルG12-6
40分スコットランド14.ダーシー・グレアムT17-6
41分スコットランド10.フィン・ラッセルG19-6
後半チーム名#.Name
3分日本代表10.松田力也PG19-9
7分日本代表10.松田力也PG19-12
15分スコットランド16.スチュアート・マキナリーT24-12
16分スコットランド10.フィン・ラッセルG26-12
24分日本代表20.テビタ・タタフT26-17
26分日本代表10.松田力也Gx26-17
32分日本代表10.松田力也PG26-20
39分スコットランド10.フィン・ラッセルPG29-20
<特記事項>
※反則数含め、試合記録は日本ラグビーフットボール協会による参考記録。観客数不明

TMO:
・後半24分 日本代表ラインアウトにおけるノックオンの確認の結果、ノックオン無し。


 アイルランド代表に完敗し、ポルトガル代表との初テストマッチにも苦戦を強いられた日本代表スコットランド代表に対して、どの様な戦いを挑み、どの様なスコアになるのか。日本のラグビーファンは期待と不安が半々の状態だったはずだが、アイルランド戦でマイボールキックの再確保が難しかった日本代表は、この日キック戦法をほぼ封印し、高速展開によるポゼッション確保に徹した。スコットランドの個人技やスピード展開により4本のトライを献上したものの、日本代表は15人全員で良くタックルし、松田のPGによりよく食らいついて接戦に持ち込んだ。
 前半6分、日本のゴール前左ラインアウトからモールを組んで攻め込んだスコットランドは、ラックからFWの縦突進を繰り返してゴールラインへ迫り、最後は巨漢WTBファンデルメルヴァがロック並みの力強い突進でねじ込みトライを挙げた(G失敗で0-5)。この日のスコットランドは、FWのパワープレーに徹することなく思い切ったBK展開に出て、10番の判断力と15番の切れ味鋭いランにより、しばしば日本をピンチに陥れた。日本もスクラムをよく耐え、全員が執念のタックルで、なかなか得点を許さない。11分、26分に松田がPGを決め6-5と逆転に成功する(26分のPKを誘った松島の豪快なランからのアタックも見応え十分であった)。これがスコットランドの魂に火をつけたのか、15人一体の展開攻撃でゲインを繰り返し、最後は日本の22mライン中央のラックから左へ展開し、ライン参加したFBスチュアート・ホッグが日本のタックルを難なくかわして走り切り、トライを挙げた(10番ラッセルのGも決まり6-12と逆転)。その後日本の好タックルで膠着状態が続いたが、前半終了間際にスコットランド日本の22mライン左のスクラムから一次攻撃のサインプレーで、最後は10番→14番と見事な飛ばしパスを決め、14番グレアムが日本のバックアップ3選手を内へ抜きさり、右隅へトライした(ラッセルのGで6-19)。
 ある程度手ごたえをつかんだ日本代表は後半に入ると攻勢に出て、相手1番の妨害行為によるイエローカードもあったが、3分、7分と松田がPGを決め、12-19とワントライ、ワンゴール圏内に迫った。しかし15人に戻り、選手入替も行ったスコットランド日本のゴール前5mの左ラインアウトからモールを組んで押し込み、最後は投入されたばかりの16番マキナリーがトライし10番ラッセルのGも決まり12-26とセーフティーリードをしたかのように見えた。しかし日本代表にあきらめるような選手は一人もおらず、24分ハーフウェイ付近の左ラインアウトからボールを回し、自陣から12番中村が敵陣へロングキックを蹴り、これが測ったように敵陣ゴール直前でタッチを割り、50-22の新ルール(自陣から蹴ったボールが敵陣22mを超えてタッチに出た場合(ダイレクトタッチは除く)は、マイボールになる)により、敵陣ゴール前5m右のラインアウトを得た。日本のラインアウトでコーネルセンがキャッチしたボールは敵に奪われそうになったが何とか確保し、そのボールを得た20番タタフが豪快に突進し相手二人を飛ばしてゴールへ飛び込んだ(松田のGは外れ、17-26)。32分、再びスコットランド陣に攻め込んだ日本はPKを得て、松田がPGを決め20-26と追い上げ、日本のファンを熱狂させた。その後、再びスコットランド陣内に入ってボールを取り返し、よもやと思わせるシーンもあったが、39分10番ラッセルがPGを蹴り込み決着がついた。
 アイルランド代表戦完敗の反省を生かして挑んだスコットランド代表戦。勝つことはできなかったが着実に積み上げた日本の実力も実感できた。今回の遠征でアイルランドスコットランドが従来の保守的なFW戦、キック戦術を改め、全員によるオープン展開攻撃をしてきたのは印象的だった。