令和6年(2024)6月22日 G:国立競技場(東京) R:ルク・ラモス(フランス協会)
●日本代表 17-52 イングランド代表〇
対戦日 | 2024/06/22 (土) | Kick off | 14:52 |
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競技場 | 国立競技場 | 観客数 | 44,029人 |
天候 | 晴れ/微風 | グラウンド 状態 | 良い |
ドクター | VMO:三森教雄 / MDD:田村謙太郎 / AMDD:草場洋平 | ||
記録係 | 神谷宗範 |
レフリー | ルク・ラモス(フランス協会) | sign |
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アシスタントレフリー |
オーエン・クロス(アイルランド協会) アンガス・メイビー(ニュージーランド協会) 木村太輔・稲場義史(九州協会) / 大内想太(関西協会) |
|
マッチコミッショナー | 宮崎良平 | sign |
TMO | エリック・ガウザン(フランス協会)/ブライアン・マックニース(アイルランド協会) | |
サイティングコミッショナー | アザー・ユソフ | |
タイムキーパー | 市原義之 |
日本代表 | ||
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# | Name(cm/kg/Age) 所属 |
Pos. |
1 |
茂原隆由(187/116/24) 静岡ブルーレヴズ
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FW |
2 | 原田衛(175/101/25) | |
3 |
竹内柊平(183/115/26) 浦安D-Rocks
|
|
4 |
サナイラ・ワクァ(202/120/28) 花園近鉄ライナーズ
|
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5 | ワーナー・ディアンズ(201/117/22) | |
6 | リーチマイケル(189/113/35) | |
7 |
ティエナン・コストリー(192/102/24) コベルコ神戸スティーラーズ
|
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8 |
ファウルア・マキシ(187/112/27) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
|
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9 |
齋藤直人(165/73/26) 東京サントリーサンゴリアス
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HB |
10 |
李承信(176/86/23) コベルコ神戸スティーラーズ
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11 |
根塚洸雅(173/82/25) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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TB |
12 |
長田智希(179/90/24) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
|
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13 |
サミソニ・トゥア(182/108/29) 浦安D-Rocks
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14 | ジョネ・ナイカブラ(177/95/30) | |
15 |
矢崎由高(180/86/20) 早稲田大学
|
FB |
16 |
坂手淳史(180/104/31) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
|
Re. |
17 |
三浦昌悟(180/115/29) トヨタヴェルブリッツ
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18 |
為房慶次朗(180/108/22) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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19 |
サウマキアマナキ(189/108/27) コベルコ神戸スティーラーズ
|
|
20 |
山本凱(177/100/24) 東京サントリーサンゴリアス
|
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21 |
藤原忍(171/76/25) クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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22 |
松田力也(181/92/30) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
|
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23 |
山沢拓也(176/84/29) 埼玉パナソニックワイルドナイツ
|
※背番号の白抜きはキャプテン
イングランド代表 | ||
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# | Name(cm/kg/Age) 所属 |
Pos. |
1 |
べヴァン・ロッド(183/117/23) Sale Sharks
|
FW |
2 |
ジェイミー・ジョージ(183/107/33) Saracens
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3 |
ダン・コール(190/124/37) Leicester Tigers
|
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4 |
マロ・イトジェ(195/118/29) Saracens
|
|
5 |
ジョージ・マーティン(198/118/23) Leicester Tigers
|
|
6 |
チャンドラー・カニンガムサウス(196/120/21) Harlequins
|
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7 |
サム・アンダーヒル(186/103/27) Bath Rugby
|
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8 |
ベン・アール(184/107/25) Saracens
|
|
9 |
アレックス・ミッチェル(180/81/27) Northampton Saints
|
HB |
10 |
マーカス・スミス(176/82/25) Harlequins
|
|
11 |
トミー・フリーマン(188/92/23) Northampton Saints
|
TB |
12 |
オリー・ローレンス(182/99/24) Bath Rugby
|
|
13 |
ヘンリー・スレード(191/96/31) Exeter Chiefs
|
|
14 |
イマニュエル・フェイワボソ(180/94/21) Exeter Chiefs
|
|
15 |
ジョージ・ファーバンク(182/87/27) Northampton Saints
|
FB |
16 |
セオ・ダン(180/100/23) Saracens
|
Re. |
17 |
ジョー・マーラー(183/120/33) Harlequins
|
|
18 |
ウィル・スチュアート(189/127/27) Bath Rugby
|
|
19 |
チャーリー・ユールズ(197/112/28) Bath Rugby
|
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20 |
トム・カリー(185/109/26) Sale Sharks
|
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21 |
ハリー・ランドール(172/72/26) Bristol Bears
|
|
22 |
フィン・スミス(180/89/21) Northampton Saints
|
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23 |
トム・ローバック(188/96/23) Sale Sharks
|
得点 | ||||
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Home | Away | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
0 | 2 | T | 4 | 4 |
0 | 2 | G | 3 | 3 |
0 | 0 | PT | 0 | 0 |
1 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
3 | 14 | 計 | 26 | 26 |
17 | 合計 | 52 |
反則 | ||||
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PK | FK | PK | FK | |
6 | 1 | 前半 | 7 | 0 |
6 | 0 | 後半 | 10 | 1 |
12 | 1 | 合計 | 17 | 1 |
Home 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半7分 | 3 → 18 |
入替 | 後半9分 | 2 → 16 |
入替 | 後半15分 | 4 → 19 |
入替 | 後半15分 | 9 → 21 |
入替 | 後半15分 | 10 → 22 |
入替 | 後半15分 | 15 → 23 |
入替 | 後半20分 | 7 → 20 |
入替 | 後半23分 | 1 → 17 |
Home 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|
Away 交替/入替
種類 | 時間 | 背番号 |
---|---|---|
入替 | 後半4分 | 1 → 17 |
入替 | 後半4分 | 2 → 16 |
入替 | 後半9分 | 9 → 21 |
入替 | 後半17分 | 3 → 18 |
入替 | 後半17分 | 6 → 20 |
入替 | 後半20分 | 14 → 23 |
入替 | 後半25分 | 10 → 22 |
入替 | 後半25分 | 11 → 19 |
Away 一時交替
時間 | 背番号 | 内容 |
---|---|---|
後半11分 → 後半17分 | 7 → 20 | 出血 |
Home カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
---|
Away カード/処分
種類 | 時間 | 背番号 | 内容 |
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イエロー | 後半15分 | 10 | 不当なプレー |
レッド | 後半34分 | 19 | 危険なプレー |
得点経過 前半Kick off : 日本代表 /後半Kick off : イングランド代表
前半 | チーム名 | #.Name | 種 | H | A | |
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2分 | 日本代表 | 10.李承信 | PG | 3 | - | 0 |
14分 | イングランド代表 | 6.チャンドラー・カニンガムサウス | T | 3 | - | 5 |
15分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | G | 3 | - | 7 |
24分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | T | 3 | - | 12 |
25分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | G | 3 | - | 14 |
29分 | イングランド代表 | 14.イマニュエル・フェイワボソ | T | 3 | - | 19 |
30分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | G | 3 | - | 21 |
42分 | イングランド代表 | 13.ヘンリー・スレード | T | 3 | - | 26 |
43分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | Gx | 3 | - | 26 |
後半 | チーム名 | #.Name | 種 | H | A | |
3分 | イングランド代表 | 9.アレックス・ミッチェル | T | 3 | - | 31 |
4分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | G | 3 | - | 33 |
後半 | チーム名 | #.Name | 種 | H | A | |
---|---|---|---|---|---|---|
9分 | イングランド代表 | 8.ベン・アール | T | 3 | - | 38 |
11分 | イングランド代表 | 10.マーカス・スミス | Gx | 3 | - | 38 |
18分 | イングランド代表 | 21.ハリー・ランドール | T | 3 | - | 43 |
20分 | イングランド代表 | 13.ヘンリー・スレード | G | 3 | - | 45 |
26分 | 日本代表 | 11.根塚洸雅 | T | 8 | - | 45 |
27分 | 日本代表 | 22.松田力也 | G | 10 | - | 45 |
29分 | 日本代表 | 23.山沢拓也 | T | 15 | - | 45 |
30分 | 日本代表 | 22.松田力也 | G | 17 | - | 45 |
37分 | イングランド代表 | 7.サム・アンダーヒル | T | 17 | - | 50 |
38分 | イングランド代表 | 13.ヘンリー・スレード | G | 17 | - | 52 |
<特記事項>
【TMO】
・前半14分:イングランドのトライの確認/結果:トライ。
・後半15分:イングランドの反則の有無の確認/結果:ノーボールタックル判定(YC)。日本のPKでプレー再開。
【TMO/FPRO】
・後半34分:イングランド(19)の危険なプレーの有無について/結果:危険なタックル判定(YC)。日本のPKでプレー再開。ファウルプレーレビューの結果、後半39分にRCへアップグレード。
【その他】
・前半19分:ウォーターブレイク
RWC2015イングランド大会以来8年ぶりに復帰したエディー・ジョーンズHC。初戦のイングランド代表戦の日本代表メンバーは、先発15人の内5人、リザーブ8人の内3人、合計8人が初代表である。先発15番の矢崎由高は大学2年生で本来はU20の代表となる選手。「イングランド代表戦は勝ちに行く!」と豪語しながらも、しっかりと将来を見据えた選出をしている。エディーHCの「キックオフからの20分間、イングランドが経験したことのない日本の超速ラグビーで驚かせる。」との強気のコメントで、日本ラグビーの関係者やファンの期待は大いに盛り上がる。
日本のキックオフはイングランド陣左深くに蹴り、イングランド9番ミッチェルのタッチキックで日本は左22mライン手前のラインアウトを得る。初キャップ2番原田の正確なスローイングを5番ワーナーが余裕でキャッチし、9番斉藤から10番李、12番長田と繋ぎ、横に8番マキシを入れ縦に突っ込ませる。イングランドの反則を誘い、前半2分、李が中央30mのPGを難なく蹴り込む(3-0)。速いテンポで攻め先制した日本代表が次にほしいのはトライだ。キックオフ再開後、自陣左22mライン付近のマイボールスクラムでフォーリングダウンのPKを得ると、タッチキックではなく、斉藤のタップ・キックから速攻を仕掛け李がオープンスペースへキック。イングランドは中盤でFWに縦を突かせ、ラックからSHがハイパントを上げる。中盤右でこのボールを確保した日本は超速ラグビー展開を仕掛ける。イングランドの速いDFで2フェーズ、ゲインラインを越せないが、李が左サイドで状況判断してグラバーキック。これをキャッチした初キャップ13番サミソニ・トゥアが力強く前進。相手10番スミスをぶちかましてさらに前進。中盤で揺さぶり12フェーズ、左のライン際をこれまた初キャップ7番ティエナン・コストリーが快足を飛ばして前進しイングランド陣深くに入り込む。14フェーズ目にリーチからパスを受けたマキシがゴール前3mに迫るが、ミスが出てボールがこぼれる。しかしその前のイングランドのゴール前10m左のペナルティをレフリーが取り、李のタッチキックでイングランド陣左ゴール前5mのラインアウトを得る。これをリーチがキャッチしてモールを押し込むが、イングランドFWに絡まれボールを出せずチャンスを潰す。その後、イングランドのFKからのタッチキックがノータッチとなり、自陣10mライン左でボールをキャッチした根塚は、20歳初キャップ15番矢崎へパス。矢崎は思い切ったカウンターアタックを仕掛ける。パスを受けた14番ナイカブラは鋭く前に出てラック、日本の超速ラグビーが始まる。左右へフェーズを重ね連続アタックを仕掛けるとイングランドが溜まらずオフサイド。日本は李の好タッチキックでイングランドゴール前右5mのラインアウト。リーチがキャッチしモールを仕掛けるが、最後尾の原田がイングランドのプレッシャーを受け落球をし、イングランドがキックで自陣を脱する。しかし自陣10mライン右でボールをキャッチしたナイカブラが縦に食い込み、再び日本の超速攻撃が始まる。連続ラックから左サイドを快走した矢崎が、大外で待つサミソニ・トゥアにオフロードパスを繋ごうとするがノックオン。このスクラムでイングランドがプッシュをかけ日本が反則。中盤の右からイングランド13番ヘンリー・スレードが見事なタッチキックで、日本陣ゴール前右10mまで前進。初めて日本陣深く入ったイングランドはラインアウトをイトジェがキャッチしてモールを仕掛ける。日本FWも良く仕込まれたモールDFでイングランドを前進させない。イングランドはFWの縦突進に切り替え5度のフェーズでゴール前に迫り、14分6番カニンガムサウスにボールを渡し、7番、8番もサポートしてインゴールへねじ込む(マーカス・スミスのG成功で3-7)。
超速ラグビーで15分間攻めまくったが、トライが取れない日本に対し、日本陣ゴール前に初めて入った攻撃を、トライに繋げたイングランド。これで流れが大きく変わるかと思われたが、キックオフ後、日本の積極的な超速アタックは継続され一進一退の状態が続く。只、日本はチャンスの時にミスが出てどうしても仕留めることができない。21分にも中央付近の日本ボールスクラムから、斉藤が左へ振ると見せて、右へ移動してきた李へパスし、李はトゥアを飛ばしてナイカブラへパス。フリーとなったナイカブラは力強く縦へ突進してイングランドバックアップも跳ね除けゴール前10mまで持ち込むが、ここでもノックオン。この20分過ぎまではほぼ互角の内容で、トライチャンスで2つトライが獲れていれば、試合展開は大きく変わったはずだ。この日の日本はチャンスでミスが出てしまう。この後、日本のノット・ロールアウェイの反則で、イングランドは日本陣に入り、24分ハーフウェイを超えた左ラインアウトで走り込んだ12番ローレンスにロングパスが通る。ポイントを作らずにミッチェル、スミスと繋ぎ、8番ベン・アールの縦の寄りで作られたスペースをスミスが快走し、日本のバックアップも振り切って中央にトライ(スミスのG成功で3-14)。イングランドは日本のミス、反則に乗じて日本陣に入りラインアウトからのサインプレーで見事なトライを奪う。この一連の攻撃は日本に大きなダメージを与える。29分スミスの50-22の好タッチからイングランドFWが怒涛の突進で日本ゴールに迫り、日本もタックルで何度か凌いだが、最後はスミスから右大外で待つ14番フェイワボソに飛ばしパスが通りトライ(スミスのG成功で3-21)。その後も超速ラグビーへのチャレンジをし続ける日本は34分イングランドゴール前に迫り連続攻撃から右へ展開。根塚からパスを受けたコストリーがインゴールへ飛込み初トライかと思われたが、根塚のパスがノックオンと判定される。前半終了のブザーの後、タッチキックで終了ではなく、初トライを目指す日本。しかしイングランドにボールを奪い返されて連続攻撃を受け、最後はスミスのキックパスが右サイドの13番スレードに渡りトライ(スミスのG失敗で3-26で前半終了)。RWCの対戦時と同様にイングランドのキックパスとジャンピングキャッチの精度は驚くほど高く、日本は十分にこの対策を立てておく必要がある。
後半開始早々イングランドの連続攻撃と日本の反則でゴール前に迫られ、3分ラインアウト・モール後の連続攻撃から9番ミッチェルにラックサイドを突かれトライ(スミスG成功で3-33)。前半はFWが縦突進し、それに対応されると大外に飛ばしパスやキックパスをする。そして日本DFにギャップが生じると確実にそこを突く。イングランドのプレーは正確な判断に基づいている。その後、日本の連続攻撃の中、ノットリリースザボールの反則から再びタッチキックで日本ゴール前に押し込まれる。日本もラインアウト・モールや連続攻撃を全員のプッシュ、タックルで凌いだが、9分再びミッチェルにサイドをつかれ余ったベン・アールにトライを許す(スミスのG失敗で3-38)。53分、日本は超速アタックでフェーズを重ね、イングランドゴールに迫るが、ナイカブラをサポートしたフリーの矢崎がスミスのノーボールタックルを受けトライできず。スミスにイエローカードが出たが、認定トライはもらえず、日本のPKからの再開となる。李がタッチに蹴り出しゴール前左5mのラインアウト。日本はワクァ、斉藤、李、矢崎に替えて、サウマキ、藤原、松田、山沢を投入。しかし日本のノックオンでイングランドボールのスクラム。さらにコラプシングのPKを取られ中盤まで挽回され、またもトライチャンスを逃す。このラインアウトからイングランドのオープンアタック、連続攻撃が始まり、日本ゴール前に迫る。日本も全員でタックルをしたが、イングランドは14人となっても攻撃中に全くミスと反則をしない。18分最後は交代で入った21番ランドールが、ラックを飛び越えてインゴールへ飛び込む(スレードのG成功で3-45)。その後もイングランドが怒涛の攻勢を見せるが、その流れを断ち切ったのは交代出場の21番藤原。小さい体でジャッカルを成功させ日本に流れを引き寄せる。松田の状況判断も日本を勢いづかせる。26分、イングランド陣22mライン右のラインアウトで、藤原からパスを受けた山本がイングランドDFをステップでかわしゴール前5mまで激走。ラックから藤原、松田、ワーナー、そして左大外で待つ根塚にロングパスが通り左隅に飛び込む(松田のG成功で10-45)。日本の超速ラグビーが漸くトライに結び付く。勇気を得た日本はPKでハーフウェイまで陣地を取り戻し、超速アタックを繰り返す。29分中盤中央で藤原からパスを受けた松田がタックルを受け、後ろのワーナーに苦しいパス。このパスが乱れ後方に流れたが、逆にDFのタイミングが乱れ、長い手でボールを確保したワーナーは持ち前の俊足でイングランドDFの裏を快走。左をサポートした山沢がフリーとなりポスト下へ飛び込む(松田のG成功で17-45)。両チームの攻防が続く中、73分日本のラックで19番ユールズがリーチへの危険なタックルでイエローカード(バンカーシステムでレッドとなる)。日本は最後まで、どの陣地からでも超速アタックを仕掛ける。37分日本ゴール前でのアタックでトゥアがノットリリースザボールの反則を犯しイングランドはタッチキックでゴール前左5mでのラインアウト。これまでラインアウトからのモールを凌ぎ続けた日本であったが、この最後のモールは凌げずに7番アンダーヒルにトライを許す(スレードのG成功で17-52)。フル・タイムのサイレンが鳴っても両チーム共に積極的にプレーを続ける。イングランドが日本のゴール前で左サイドに蹴り込んだボールがノックオンとなり、レフリーの笛が鳴った。
6か国対抗を終えてチームとして完成されたイングランド代表と10日余りの合宿で立ち上げた日本代表ではチーム力に差が出るのは当然であるが、安易にこの点差を許容すべきではない。新たに8名の初キャップメンバーを選び、イングランド代表相手に臆することなく挑んだこの貴重な経験が今後、成熟して大きな花を咲かせてくれることに期待する。