テストNo.384 アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024 準決勝 サモア代表戦

令和6年(2024)9月15日 G:秩父宮ラグビー場(日本) R:ポール・ウィリアムズ(ニュージーランド協会)
日本代表 49-27 サモア代表

対戦日2024/09/15 (日) Kick off15:07
競技場秩父宮ラグビー場 観客数14,893人
天候晴れ/強風 グラウンド
状態
良い
ドクターVMO:三森教雄 / MDD:坂根正孝 / AMDD:宿沢孝太
記録係中村琢
レフリーポール・ウィリアムズ(ニュージーランド協会)sign
アシスタントレフリー

ホリー・デイビッドソン(スコットランド協会)

サム・グローブ-ホワイト(スコットランド協会)

河野海輝・木村太輔・山内昂輝

マッチコミッショナー荒井公希sign
TMOトゥアル・トレイニーニ / デーモン・マーフィー
サイティングコミッショナーヴァネッサ・ブラッドリー
タイムキーパー土田清一
日本代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 三浦昌悟(180/115/29)
トヨタヴェルブリッツ
FW
2 原田衛(175/101/25)
3 竹内柊平(183/115/26)
浦安D-Rocks
4 エピネリ・ウルイヴァイティ(196/122/28)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
5 ワーナー・ディアンズ(201/117/22)
6 ファカタヴァアマト(195/118/29)
リコーブラックラムズ東京
7 下川甲嗣(188/105/25)
東京サントリーサンゴリアス
8 ファウルア・マキシ(187/112/27)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
9 藤原忍(171/76/25)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
HB
10 立川理道(180/94/34)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
11 マロ・ツイタマ(182/91/28)
静岡ブルーレヴズ
TB
12 ニコラス・マクカラン(188/93/28)
トヨタヴェルブリッツ
13 ディラン・ライリー(187/102/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
14 長田智希(179/90/24)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
15 李承信(176/86/23)
コベルコ神戸スティーラーズ
FB
16 松岡賢太(175/100/27)
コベルコ神戸スティーラーズ
Re.
17 岡部崇人(180/105/29)
横浜キヤノンイーグルス
18 為房慶次朗(180/108/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
19 アイザイア・マプスア(191/112/23)
トヨタヴェルブリッツ
20 ティエナン・コストリー(192/102/24)
コベルコ神戸スティーラーズ
21 小山大輝(171/74/29)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
22 梶村祐介(181/95/29)
横浜キヤノンイーグルス
23 高橋汰地(180/91/28)
トヨタヴェルブリッツ

※背番号の白抜きはキャプテン

サモア代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 アキ・セーイウリ(184/118/31)
Dragons
FW
2 サマ・マロロ(183/109/26)
Moana Pasifika
3 マルコ・フェピュレアイ(184/120/29)
Colomiers Rugby
4 ベンジャミン・ペタイア二ー二ー(198/116/31)
Nippon Steel Kamaishi Seawaves
5 サミュエル・スレード(195/118/27)
Moana Pasifika
6 テオドール・マクファーランド(199/115/28)
Saracens
7 イザイハ・モーレアイオノ(183/99/24)
London Irish
8 イアコポ・マップ(184/110/26)
Moana Pasifika
9 メラニ・マタヴァオ(171/73/28)
Moana Pasifika
HB
10 ロドニー・アイオナ(177/89/33)
Nola Gold
11 エリザペタ・アロフィポ(184/86/26)
Tama Uli Salelologa
TB
12 アラパティ・レイウア(185/100/35)
Shizuoka Blue Revs
13 ラロミロ・ラロミロ(173/99/24)
Moana Pasifika
14 ツナ・ツイタマ(187/95/24)
Moana Pasifika
15 トマシ・アロシオ(185/92/32)
Anthem Rugby
FB
16 ルテール・トライ(179/119/26)
Biarritz
Re.
17 アンドリュー・ツアラ(178/136/33)
Houston SaberCats
18 ブルック・トゥーマラタイ(179/124/31)
Canterbury
19 マイケル・カリー(196/115/30)
Moana Pasifika
20 マーフィー・タラマイ(186/105/27)
Shimizu Blue Sharks
21 ダニー・ツシタラ(172/83/32)
Old Glory DC
22 アファ・モレリ(185/97/21)
Auckland University
23 メラニ・ナナイ(194/102/31)
Vancouver Highlanders
得点
HomeAway
前半後半前半後半
33 T 12
33 G 12
10 PT 00
00 PG 20
00 DG 00
2821 1314
49合計27
マン・オブ・ザ・マッチ
日本代表(15) 李 承信
反則
PKFKPKFK
40 前半 70
30 後半 31
70 合計 101

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半12分 1 → 17
入替 後半21分 3 → 18
入替 後半21分 4 → 19
入替 後半22分 8 → 20
入替 後半22分 10 → 23
入替 後半27分 9 → 21
入替 後半30分 12 → 22
入替 後半35分 2 → 16

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
交替
(HIA)
前半41分 5 → 19
入替 後半7分 7 → 20
入替 後半19分 2 → 16
入替 後半19分 9 → 21
入替 後半19分 12 → 23
入替 後半22分 3 → 18
入替 後半24分 1 → 17

Away 一時交替

時間背番号内容
前半29分 → 前半41分 5 → 19 HIA

Home カード/処分

種類時間背番号内容

Away カード/処分

種類時間背番号内容
イエロー 前半10分 11 不当なプレー

得点経過 前半Kick off : 日本代表(アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024 ファイナルシリーズ登録メンバー) /後半Kick off : サモア代表

前半チーム名#.Name
6分 日本代表 13.ディラン・ライリー T 5 - 0
7分 日本代表 15.李承信 G 7 - 0
10分 日本代表 PT 14 - 0
13分 サモア代表 14.ツナ・ツイタマ T 14 - 5
14分 サモア代表 10.ロドニー・アイオナ G 14 - 7
16分 日本代表 14.長田智希 T 19 - 7
17分 日本代表 15.李承信 G 21 - 7
25分 サモア代表 10.ロドニー・アイオナ PG 21 - 10
29分 サモア代表 10.ロドニー・アイオナ PG 21 - 13
39分 日本代表 15.李承信 T 26 - 13
40分 日本代表 15.李承信 G 28 - 13
後半チーム名#.Name
4分 日本代表 7.下川甲嗣 T 33 - 13
5分 日本代表 15.李承信 G 35 - 13
12分 サモア代表 9.メラニ・マタヴァオ T 35 - 18
13分 サモア代表 10.ロドニー・アイオナ G 35 - 20
18分 日本代表 9.藤原忍 T 40 - 20
19分 日本代表 15.李承信 G 42 - 20
32分 サモア代表 13.ラロミロ・ラロミロ T 42 - 25
33分 サモア代表 10.ロドニー・アイオナ G 42 - 27
39分 日本代表 23.高橋汰地 T 47 - 27
40分 日本代表 15.李承信 G 49 - 27

<特記事項>
<TMO>
前半10分:サモア代表(11)の故意の反則の有無の確認/結果:デリバレートノックオンの判定によりYC/日本代表のペナルティトライの判定
<その他>
前半21分:ウォーターブレイク
後半22分:ウォーターブレイク


 プール戦ではカナダ代表アメリカ代表に連勝した日本代表だが、ファイナルシリーズ準決勝の相手は1ランク上のサモア代表である。過去3回のRWCでは日本代表が連勝をしているが、世代交代途上の若い日本代表に、あのフィジカル・バトルを凌ぐ力はあるのか。RWC2大会を経験した坂手の欠場はあまりにも痛いが、SOに超ベテランの立川を起用しゲームリーダーを任せる。若手を落ち着かせて好ゲームにしてほしいものである。

 この日も33度に迫る暑さの中、日本のキックオフで試合開始。FBに入った李が深く蹴ったボールをサモアがノックオン。そのはじいたボールをワーナーがキャッチして突進し、日本の超速ラグビーが始まる。サモアも一人一人の強いタックルで応戦するも、振り回される中でペナルティ。イージーゴールを狙える位置ではあったが、日本は左ゴール前にタッチキックを蹴り、あくまでトライにこだわる。モールドライブはゴール直前でサモアのパワーに阻止されるが、日本は初キャップの4番エピネリも含め、サモアゴール前でFWの縦突進を繰り返す。サモアの強靭なDFを前になかなかトライが取れず、立川が左サイドへ蹴ったキックパスをタッチに出てチャンスにならない。6分、22mライン左のサモアボールのラインアウトをワーナーが奪いFW、BK一体の攻撃でラックを連取する。李がラインを接近させながらもSOらしく、前に出るサモアDFの裏にゴロパントを蹴る。ラインが入れ違い裏に出た13番ライリーがキャッチしてインゴールへ飛び込む(李のG成功で7-0)。サモアのキックオフ後も、日本サモア陣に入り超速ラグビーでサモアを振り回す。最後、11番ツイタマがDFの薄くなった右サイドを抜け出し、右ゴール前に持ち込んだラックから、9番藤原が右をサポートしたフリーのライリーにパスを試みたが、この日初キャップのサモア11番アロフィポが藤原のパスをはたいてしまう。TMO判定の結果、デリバレイト・ノックオンでアロフィポにイエローカードが出され、日本の認定トライが認められた(14-0)。これで流れが日本に来ると思われたが、奮起したサモアが攻勢に出る。13分、ラインアウト後のラックを連取され、No8マップが豪快に抜け出し、日本のタックルを外してゴール前中央に迫る。このチャンスで右へのBK展開でサモア14番ツイタマがフリーとなってインゴールを回り込みトライ(10番アイオナのGで14-7)。サモアの得意な形からのトライを許したが、日本は再びサモア陣に入り、16分、サモア陣10mラインを超えた付近の左のラインアウトで、キャッチしたボールをスローワーの原田にリターンして突進し、ファカタヴァに繋いで、左5mラインまで迫る。3番竹内の縦突進の後、右に振り、李がサモアのタックルを浴びながらも見事にオープンへキックパス。14番長田がキャッチしてインゴールへ飛び込む(李のGで21-7)。その後、膠着状態が続く中、サモアの圧力を受け中盤で日本に反則が出る。25分、29分と近くはないPGをアイオナが確実に決める(21-13)。32分、日本の反則で日本陣ゴール前10m右のラインアウトからサモアはモールを組んだ後、7番が抜け出しトライかと思われたが、藤原、ツイタマ、原田のタックルによりゴールライン・ドロップアウトとなる。その後、両チーム得点がないまま、サモア陣ゴール前に迫った日本は、超速展開でサモアを振り回し、39分、左サイドのラックから、この日、日本のSOに入り、主将を務める立川が的確な状況判断から左サイドで余る李に見事に飛ばしパスを通し、李がインゴールへ飛び込む(李のGで28-13)。これでハーフタイムとなる。

 後半、先に追加点が欲しいところだが4分、サモアのラインアウトからの連続アタックで、マクカランがタックル後に相手ボールを奪いラック。そのボールを受けた李がサモア陣へゴロパントを蹴り、それを14番長田が見事にキャッチして、フォローした李から7番下川に繋ぎ、下川はDFを振り切ってインゴールへ飛び込む(李のG成功で35-13)。あれだけ動き回ってタックルを続ける下川が、ここに顔を出せるのはまさに驚異としか言いようがない。これでセーフティーリードかと思われたが、サモアも得意なFWの繋ぎに入るとBKも見事な展開を見せ、一気に攻勢に出てくる。12分、連続のラックから左サイドを11番アロフィポが抜け出し内をフォローした9番マタアヴァオに繋ぎインゴールへ飛び込む(アイオナのGで35-20)。その後もサモアは勢いに乗って連続攻撃を仕掛けるが最後にミスが出て救われる。その後、日本も攻勢に出て18分、サモア陣ゴール前でFWのサイド攻撃を繰り返したのち、9番藤原がダミーでDFを振って、インゴールへ飛び込む(李のGで42-20)。これでサモアのモチベーションが下がるかと思われたが、選手交代も含め個々の強さは全く衰えを見せず日本DFを振り回す。日本もマプスア(エピネリと交替)、コストリー(マキシと交替)、高橋汰地(立川と交替)を投入し、再び超速ラグビーを仕掛ける。しかし何度かサモア陣ゴール前に迫るがトライには結びつかない。32分、中盤で攻めあぐねた日本の中途半端なキックを自陣22mライン上でキャッチしたサモア10番アイオナがカウンターアタックを仕掛け、マークを引き付けて11番アリフィポを走らせる。最後は外をフォローした13番ラロミロが独走しトライ(アイオナのGで42-27)。最後まであきらめず食い下がりを見せる。日本も最後まで超速ラグビーを貫き全員で連続攻撃を仕掛ける。39分、サモアG前左スクラムを押してから右へ振った、日本は梶村(30分マクカランと交代出場)、李、高橋と繋ぎ、最後は高橋がDFを振り切ってインゴールへ飛び込む(李のGで49-27)。その後、フルタイムとなる。

 33度に迫る酷暑の中で、両チームのファイティングスピリットは素晴らしかった。そして日本の目指す超速ラグビーが漸く実を結び始めている。6本のコンバージョンを着実に決めた李のキックも安定してきた。フィジーとの決勝戦では超速ラグビーでフィジーを疲れさせるとともに、チームDFを徹底して、フィジーの快足ランナー達を何としても止めてほしいものだ。そして若い日本代表が勝利という経験で、さらに成長してほしいものだ。