テストNo.390 リポビタンDチャレンジカップ2025 ウェールズ代表戦

令和7年(2025)7月5日 G:ミクニワールドスタジアム北九州(北九州) R:ダミアン・シュナイダー(アルゼンチン協会)
日本代表 24-19 ウェールズ代表

対戦日2025/07/05 (土) Kick off14:00
競技場ミクニワールドスタジアム北九州 観客数13,487人
天候晴れ/微風 グラウンド
状態
良い
ドクターVMO:村上秀孝 / MDD:櫻井立太・川添輝
記録係古河美穂
レフリーダミアン・シュナイダー(アルゼンチン協会)sign
アシスタントレフリー

カール・ディクソン(イングランド協会)

ルーク・ピアース(イングランド協会)

稲場義史 / 村田優作 / 関谷惇大

マッチコミッショナー荒井公希sign
TMOイアン・テンペスト(RFU)/グレン・ニューマン(NZR)
サイティングコミッショナーサラ・ペルシコ
タイムキーパー田代智香子
日本代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 紙森陽太(172/105/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
FW
2 原田衛(175/101/26)
東芝ブレイブルーパス東京より退団発表(2025/6/4)
3 竹内柊平(183/115/27)
※浦安 D-Rocksより退団発表(2025/6/1)
4 エピネリ・ウルイヴァイティ(196/122/28)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
5 ワーナー・ディアンズ(201/117/23)
6 リーチマイケル(189/113/36)
7 ジャック・コーネルセン(195/110/30)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
8 ファカタヴァアマト(195/118/30)
リコーブラックラムズ東京
9 藤原忍(171/76/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
HB
10 李承信(176/86/24)
コベルコ神戸スティーラーズ
11 マロ・ツイタマ(182/91/29)
静岡ブルーレヴズ
TB
12 中野将伍(186/100/28)
東京サントリーサンゴリアス
13 ディラン・ライリー(187/102/28)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
14 石田吉平(167/75/25)
横浜キヤノンイーグルス
15 松永拓朗(172/82/26) FB
16 江良颯(172/106/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
Re.
17 木村星南(175/105/26)
18 為房慶次朗(180/108/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
19 ワイサケ・ララトゥブア(193/120/27)
コベルコ神戸スティーラーズ
20 ベン・ガンター(195/120/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
21 北村瞬太郎(168/77/23)
静岡ブルーレヴズ
22 中楠一期(174/84/25)
リコーブラックラムズ東京
23 ハラトア・ヴァイレア(185/104/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

※背番号の白抜きはキャプテン

ウェールズ代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 ニッキー・スミス(180/116/31)
Leicester Tigers
FW
2 デヴィ・レイク(185/114/26)
Ospreys
3 キーロン・アシラッティ(188/120/28)
Cardiff Rugby
4 ベン・カーター(198/117/24)
Dragons RFC
5 テディ—・ウィリアムズ(201/118/24)
Cardiff Rugby
6 アレックス・マン(191/97/23)
Cardiff Rugby
7 ジョシュ・マクラウド(188/103/28)
Scarlets
8 タウルペ・ファレタウ(188/115/34)
Cardiff Rugby
9 キーラン・ハーディ(185/89/29)
Ospreys
HB
10 サム・コステロウ(173/86/24)
Scarlets
11 ジョシュ・アダムス(183/96/30)
Cardiff Rugby
TB
12 ベン・トーマス(183/91/26)
Cardiff Rugby
13 ジョニー・ウィリアムズ(191/100/28)
Scarlets
14 トム・ロジャース(185/86/26)
Scarlets
15 ブレア・マレー(173/83/23)
Scarlets
FB
16 リアム・ベルチャー(175/106/29)
Cardiff Rugby
Re.
17 ガレス・トーマス(188/116/31)
Ospreys
18 アーチー・グリフィン(189/117/23)
Bath Rugby
19 ジェームズ・ラッティ(196/115/27)
Ospreys
20 アーロン・ウェインライト(188/106/27)
Dragons RFC
21 トミー・レフェル(183/103/26)
Leicester Tigers
22 ロドリー・ウィリアムズ(175/86/32)
Dragons RFC
23 ジョー・ロバーツ(183/93/25)
Scarlets
得点
HomeAway
前半後半前半後半
12 T 20
12 G 10
00 PT 10
01 PG 00
00 DG 00
717 190
24合計19
反則
PKFKPKFK
51 前半 30
40 後半 60
91 合計 90

Home 交替/入替

種類時間背番号
交替 前半19分 15 → 22
入替 後半11分 11 → 23
入替 後半16分 4 → 19
入替 後半17分 8 → 20
入替 後半39分 9 → 21

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
交替 前半1分 4 → 19
入替 後半11分 1 → 17
入替 後半11分 3 → 18
入替 後半17分 8 → 21
入替 後半17分 7 → 20
入替 後半28分 2 → 16
入替 後半28分 13 → 23

Away 一時交替

時間背番号内容

Home カード/処分

種類時間背番号内容
イエロー 前半20分 22 不当なプレー

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : ウェールズ代表 /後半Kick off : 日本代表(2025年宮崎合宿参加メンバー)

前半チーム名#.Name
4分 ウェールズ代表 12.ベン・トーマス T 0 - 5
5分 ウェールズ代表 10.サム・コステロウ G 0 - 7
16分 日本代表 15.松永拓朗 T 5 - 7
17分 日本代表 10.李承信 G 7 - 7
20分 ウェールズ代表 PT 7 - 14
22分 ウェールズ代表 14.トム・ロジャース T 7 - 19
23分 ウェールズ代表 10.サム・コステロウ Gx 7 - 19
37分 ウェールズ代表 10.サム・コステロウ DGx 7 - 19
後半チーム名#.Name
19分 日本代表 22.中楠一期 T 12 - 19
20分 日本代表 10.李承信 G 14 - 19
24分 日本代表 10.李承信 PG 17 - 19
30分 日本代表 23.ハラトア・ヴァイレア T 22 - 19
31分 日本代表 10.李承信 G 24 - 19

<特記事項>
【TMO】
・前半20分:日本代表(22)不当なプレーの有無について⇒故意にボールを叩いたの判定、ウェールズ代表の認定トライ。
・前半28分:日本代表のトライ確認⇒結果ノートライ。ウェールズ代表のトライラインドロップアウトで再開。
・後半9分:日本代表トライ前のノックフォワードの有無について⇒結果ノックフォワードの判定、ウェールズ代表のスクラムで再開。

【YC理由】
・前半20分 日本代表(22)の不当なプレーは、故意に手でボールを競技区域の外に出したことによる


 過去の対戦成績は1勝13敗。50年前のウェールズ代表初来日の時には日本代表が6-82と完敗。20年前の欧州遠征でも0-98と大敗を喫している。しかしこの12年間の対戦成績は1勝2敗で、負けた試合も4点差、3点差と接戦を演じられるようになっている。しかも現時点でウェールズ代表はテストマッチ17連敗中であり、日本の35度を超える猛暑の中、ハイパフォーマンス国に対する勝利への期待は大きく膨らむ。

 ウェールズのキックオフで試合は始まり、日本が自陣から攻めた1stプレーの激突で開始24秒、ウェールズ4番ベン・カーターが脳震盪で倒れ、担架で運ばれる(19番ジェームス・ラッティが交代出場)。その後、スクラムから日本10番李がタッチキック。ウェールズは日本陣左22mと10mラインの間のラインアウトから連続攻撃(フェーズ7)を仕掛け、日本はたまらず反則を犯し22mライン近辺の中央でウェールズにPKを与える。当然、PGによる先制点と思いきや、ウェールズ10番コステロウが日本ゴール前右10mに蹴り出し、ウェールズボールのラインアウト。4分、鍛えられたウェールズのモールを日本は止められるのかと想像されたが、ウェールズは裏をかき即ボールを出して8番ファレタウが突進。意表を突かれた日本はゲインを許し、ウェールズはファレタウの両サイドをFWとBKがフォロー。最後は外側の12番トーマスがフリーでパスを受けてトライ(10番コステロウG成功で0-7)。その後、ウェールズは日本陣に攻め込み幾度か日本ゴールに迫るが、日本は全員で前に出てタックルしキックも有効に使う。そして16分、ウェールズ陣右22mでのラインアウトを7番コーネルセンが獲得し、走り込むディアンズにパス。ディアンズはライン突破と見せて、9番藤原へパス。日本は中野、ライリーの両CTBを浅めに縦に走らせ、藤原はその裏を走る李へパス。李はウェールズのマークを外へ抜きに出て、捕まるや内をフォローの14番石田にパス。石田はウェールズラインの裏を走りバックアップに捕まる直前に、縦に走り込んだ15番松永にパス。松永は自慢のスピードでバックアップを振り切りトライゾーンへ飛び込む(10番李のGで7-7)。再開後のプレーの中でウェールズのハイパントを日本陣22mライン中央で11番ツイタマがノックフォワード。ここで19分、先ほどのプレーで脚を痛めた松永に替わり、22番中楠を投入。20分、ウェールズが日本陣22mライン中央のスクラムから連続攻撃を仕掛け3つ目のフェーズの後、ウェールズ9番ハーディが日本のトライゾーンにキック。11番アダムスと中楠の競争となるが、ボールはデッド・ゴールラインを割る。しかしTMO判定で、中楠がボールを故意にはたいたとしてイエローカード、ウェールズにはペナルティトライが与えられる(7-14)。次のキックオフで李がダイレクトタッチ蹴り、まずい流れが続く。22分、センタースクラムで日本のFWがプッシュをかけ、ペナルティかと思いきや、ウェールズNo8ファレタウが持ち出す。日本のバックローは動けず、9番ハーディ、10番コステロウ、13番ウィリアムズとパスが回り、余った14番トムロジャースが右ライン沿いを快走しトライ(コステロウのG失敗で7-19)。何とか挽回したい日本は27分、ウェールズ陣相手ボールのスクラムでプッシュをかけPKを獲得。PKタッチ後のウェールズ陣左ゴール前7mのラインアウトで最後尾のコーネルセンが後ろに下がりながらキャッチして、サポートのリーチへリターンパス。その後、紙森、リーチ、エピネリの突進でゴール前1mに迫り、最後はファガタヴァがインゴールへなだれ込む。しかしTMO判定はダウンボールできていないとなり、トライライン・ドロップアウト。日本は、この再開からカウンターアタックに出るも、ツイタマのノックフォワードでチャンスにならず。両チームとも果敢なアタックでチャレンジするが、暑さによる疲れと汗でボールが滑り、決定的なチャンスを作れずに時間が経過し前半終了。

 後半は日本のキックオフで始まり、何としても先に得点が欲しい。後半3分、日本のオブストラクションのPKから日本陣に入られ、ウェールズの連続攻撃が始まるが、日本は高い意識のDFで凌ぎ続ける。しかし日本がPKを獲得して攻撃に入っても、ダイレクトタッチなどのミスが出る。9分、スクラムをプッシュして獲得したPKからのタッチキックで敵陣に入る。右22mと10mラインの間のラインアウトから藤原、李、中野、ライリーと展開。しかし、ライリーが抜けきれずボールがこぼれるも李が再獲得して抜け出しサポートの藤原に浮かすが、惜しくもノックフォワード。ウェールズのタッチキック後のラインアウトから李がスペースをついて縦に突進するが、孤立しウェールズ1番スミスのスティールをくらいPK。ここで流れを変えたい日本は11分、11番ツイタマに替えて23番ヴァイレアを投入。膠着状態が続く中16分、4番エピネリに替えて19番ララトゥブァを投入。日本は自陣左10mラインのラインアウトを獲得しオープンへ展開し、中野、そしてファカタヴァが突進し、PKを獲得する。ここで(17分)8番ファカタヴァに替えて20番ベン・ガンターを投入。李のPKタッチキックで敵陣右10mのラインアウトを得る。このラインアウトを獲得した日本は中野の突進に始まるフェーズ13の連続攻撃を仕掛け19分、ゴール前中央のラックから李が左に走りマークに捕まるが、サポートした中楠にパスが渡り、DF二人の間をすり抜けトライゾーンへ飛び込む(李のGで14-19)。会場のボルテージも一気に上がる。再開後もウェールズがオフザゲートの反則を犯し、李のPKタッチで敵陣へ入る。敵陣左10mのラインアウトをコーネルセンがキャッチ。右へ展開し、ガンター、ララトゥブアのパワーランナーを突っ込ませる。7フェーズの後、外側で待つコーネルセンからガンターにパスが通り左隅に飛込みトライかと思われたが、残念ながらラストパスがフォワードパスの判定でトライ取り消し。しかしその前のウェールズのノット・ロールアウェイの反則をとり、24分、李がPGを決め(17-19)2点差となる。この勢いのまま一気に行きたいところだが、負けられないウェールズも疲れを見せず落ち着いて対応する。29分、敵陣左10mのマイボールスクラムを日本が押し切りPKを獲得する(勝敗に影響を与える大きなプレー)。李の好タッチキックで敵陣左5mのラインアウトを得た日本は、ワーナーに低い球を投げ入れ、すぐにモールを組んで力強くプッシュをかける。BKの中野、ヴァイレアも加勢し30分、ヴァイレアがトライゾーンにねじ込み逆転(李のGで24-19)。試合再開後、負けられないウェールズの猛攻撃に対して、日本もしぶとく守る。マイボールスクラムでプッシュをかけPKを獲得(その後の攻勢プレーでオーバー)。また22番中楠の長いキックがトライゾーンで止まり(インゴールを超えると蹴った地点に戻って相手ボールスクラム)、つきもある。39分、9番藤原に替わって21番北村を投入(初キャップ獲得)。ビッグゲームで勝てるかどうかの最終局面に登場し、さぞかし緊張するかと思いきや、リーグワン静岡で大活躍をしてきた経験は十分で、いつもと同じ思い切ったプレーが小気味よい。残り1分は時間を稼ぐラックを繰り返し、ブザーの瞬間に李がタッチに蹴り出し日本ウェールズに勝利(対ウェールズ2勝目)。この酷暑の中、最後まで諦めることなく奮闘を続けた両チームの選手たちに拍手を送りたい。