テストNo.391 リポビタンDチャレンジカップ2025 ウェールズ代表 第2戦

令和7年(2025)7月12日 G:ノエビアスタジアム(神戸) R:ルーク・ピアース(イングランド協会)
日本代表 22-31 ウェールズ代表

対戦日2025/07/12 (土) Kick off14:50
競技場ノエビアスタジアム神戸 観客数25,074人
天候晴れ/無風 グラウンド
状態
良い
ドクターVMO:中村夫佐央 / MDD:木島和也・田中誠人
記録係小林敦
レフリールーク・ピアース(イングランド協会)sign
アシスタントレフリー

カール・ディクソン(イングランド協会)

ダミアン・シュナイダー(アルゼンチン協会)

高尾陽平・東村侑真・大内想太

マッチコミッショナー荒井公希sign
TMOグレン・ニューマン(NZR)/ イアン・テンペスト(RFU)
サイティングコミッショナーマレー・ホワイト
タイムキーパー大村哲司
日本代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 紙森陽太(172/105/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
FW
2 原田衛(175/101/26)
東芝ブレイブルーパス東京より退団発表(2025/6/4)
3 為房慶次朗(180/108/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
4 エピネリ・ウルイヴァイティ(196/122/29)
三菱重工相模原ダイナボアーズ
5 ワーナー・ディアンズ(201/117/23)
6 リーチマイケル(189/113/36)
7 ジャック・コーネルセン(195/110/30)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
8 マキシファウルア(187/112/28)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
9 齋藤直人(165/73/27)
スタッド・トゥール—ザン
HB
10 李承信(176/86/24)
コベルコ神戸スティーラーズ
11 ハラトア・ヴァイレア(185/104/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
TB
12 中野将伍(186/100/28)
東京サントリーサンゴリアス
13 ディラン・ライリー(187/102/28)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
14 石田吉平(167/75/25)
横浜キヤノンイーグルス
15 中楠一期(174/84/25)
リコーブラックラムズ東京
FB
16 江良颯(172/106/23)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
Re.
17 木村星南(175/105/26)
18 竹内柊平(183/115/27)
※浦安 D-Rocksより退団発表(2025/6/1)
19 ワイサケ・ララトゥブア(193/120/27)
コベルコ神戸スティーラーズ
20 ベン・ガンター(195/120/27)
埼玉パナソニックワイルドナイツ
21 藤原忍(171/76/26)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
22 サム・グリーン(178/85/30)
静岡ブルーレヴズ
23 植田和磨(177/87/22)
コベルコ神戸スティーラーズ

※背番号の白抜きはキャプテン

ウェールズ代表
# Name(cm/kg/Age)
所属
Pos.
1 ニッキー・スミス(180/116/31)
Leicester Tigers
FW
2 デヴィ・レイク(185/114/26)
Ospreys
3 アーチー・グリフィン(189/117/23)
Bath Rugby
4 フレディー・トーマス(195/117/23)
Gloucester Rugby
5 テディ—・ウィリアムズ(201/118/24)
Cardiff Rugby
6 アレックス・マン(191/97/23)
Cardiff Rugby
7 ジョシュ・マクラウド(188/103/28)
Scarlets
8 アーロン・ウェインライト(188/106/27)
Dragons RFC
9 キーラン・ハーディ(185/89/29)
Ospreys
HB
10 ダン・エドワーズ(178/83/22)
Ospreys
11 ジョシュ・アダムス(183/96/30)
Cardiff Rugby
TB
12 ベン・トーマス(183/91/26)
Cardiff Rugby
13 ジョニー・ウィリアムズ(191/100/28)
Scarlets
14 トム・ロジャース(185/86/26)
Scarlets
15 ブレア・マレー(173/83/23)
Scarlets
FB
16 リアム・ベルチャー(175/106/29)
Cardiff Rugby
Re.
17 ガレス・トーマス(188/116/31)
Ospreys
18 クリス・コールマン(189/125/26)
Dragons RFC
19 ジェームズ・ラッティ(196/115/27)
Ospreys
20 テイン・プラムツリー(196/108/25)
Scarlets
21 トミー・レフェル(183/103/26)
Leicester Tigers
22 ルーベン・モーガンウィリアムズ(182/85/27)
Ospreys
23 キーラン・ジャイルズ(173/78/27)
Ospreys
得点
HomeAway
前半後半前半後半
12 T 31
11 G 31
00 PT 00
10 PG 01
00 DG 00
1012 2110
22合計31
反則
PKFKPKFK
50 前半 31
41 後半 30
91 合計 61

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替 前半37分 1 → 17
入替 前半37分 2 → 16
入替 前半37分 3 → 18
入替 後半0分 4 → 19
入替 後半13分 8 → 20
入替 後半16分 9 → 21
入替 後半16分 15 → 22

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
交替 後半0分 11 → 23
交替 後半4分 1 → 17
入替 後半9分 6 → 20
入替 後半20分 2 → 16
入替 後半20分 3 → 18
交替 後半25分 13 → 22
入替 後半27分 4 → 19
交替 後半36分 7 → 21

Away 一時交替

時間背番号内容

Home カード/処分

種類時間背番号内容
イエロー 前半28分 8 反則の繰り返し

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : 日本代表(2025年宮崎合宿参加メンバー) /後半Kick off : ウェールズ代表

前半チーム名#.Name
9分 ウェールズ代表 11.ジョシュ・アダムス T 0 - 5
10分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ G 0 - 7
24分 日本代表 10.李承信 PG 3 - 7
28分 ウェールズ代表 9.キーラン・ハーディ T 3 - 12
29分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ G 3 - 14
36分 ウェールズ代表 9.キーラン・ハーディ T 3 - 19
37分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ G 3 - 21
40分 日本代表 18.竹内柊平 T 8 - 21
41分 日本代表 10.李承信 G 10 - 21
後半チーム名#.Name
9分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ PG 10 - 24
19分 日本代表 5.ワーナー・ディアンズ T 15 - 24
20分 日本代表 10.李承信 Gx 15 - 24
22分 日本代表 13.ディラン・ライリー T 20 - 24
23分 日本代表 10.李承信 G 22 - 24
35分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ T 22 - 29
36分 ウェールズ代表 10.ダン・エドワーズ G 22 - 31

<特記事項>
【TMO】
・前半23分 ウェールズ代表(7)の危険なプレーの確認/結果:ハイタックルの判定、日本代表のPKで再開
・後半19分 日本代表(5)のトライについてグラウンディングの確認/結果:トライ認定


 第1戦日本代表に逆転負けを喫しテストマッチ18連敗となったウェールズ代表。アップの時から第1戦とは雰囲気が変わり、必勝を期している。只、ノエビアスタジアム神戸は屋根で直射日光を遮断できるが、空調機能が不十分で湿度は高く、蒸し暑さで選手たちのスタミナが削られるはずだ。

 日本のキックオフで始り、ウェールズは積極的に連続攻撃を仕掛けてくる。日本も9番齋藤の堅実なハイパントでWTBを走らせチャンスを作る。RWC2019日本大会のトライ王、ウェールズ11番のジョシュ・アダムスと15番ブレア・マレーの別格の走りは、伝説のウェールズ代表を彷彿とさせる。9分、ウェールズの自陣のハイパント後のラックで、日本11番ヴァイレアがボール奪い7番コーネルセンがラックサイドを突く。アタックラインを敷く日本に対し、このラックのボールをウェールズ6番アレックスが奪い返し、ウェールズはDFラインのままフラットに左へ展開。12番ベン・トーマスがスワーブで突破を試みるが、6番リーチのタックルを受ける。縦に走り込みパスを受けたマレーは日本DFを突破し、15番中楠を引き付けノーマークのアダムスへパスを通し楽々先制トライ(10番エドワーズのG成功で0-7)。14番石田にはダメもとでも追走してほしかった。日本もボールを獲得すれば、積極的に連続攻撃に出るが、汗で濡れたボールは滑り、ここ一番でノックフォワードが出る。20分、日本ウェールズ陣右10m付近のラインアウトを4番エピネリが獲得し左へ展開。12番中野、8番マキシの縦突進の後、さらに左へ展開。9番齋藤から、李、ライリーと浅いラインでパスが回り、ライン参加の中楠が抜け出し快走。しかしヴァイレアが遅れパスをもらう位置が深く、ウェールズのバックアップに捕まる。何とかリーチに繋ぐもタッチに押し出される。22分、日本は中盤左のラインアウトからの連続攻撃でパスミスが起き、ウェールズ8番ウェンライトに拾われて蹴られ、ボールは日本ゴール前へ。アダムスが快足を飛ばして追走し、ゴール前5mでボールが胸に入ったかに見えたが、ノックフォワード。一連の攻防の中、ウェールズにハイタックルの反則とTMO判定が出て24分、李がウェールズ陣10m中央40mのPGを決める(3-7)。その後、ウェールズ日本ゴールに迫り連続攻撃を仕掛ける。日本も好タックルで凌ぐが、オフサイドの連発をレフリーが指摘。28分、ウェールズはラインアウト・モールからのサイドアタックで、9番ハーディがトライゾーンに飛び込む(エドワーズG成功で3-14)。そしてここでもオフサイドをしたマキシにイエローカード(10分間の退場)。33分、日本ウェールズ陣中央22m手前のスクラムをFW7人で良く耐えて右へ展開。ライリーが22mラインを突破し連続攻撃をするが、2番原田のノックフォワードでチャンスを逃す。そして7人で組むウェールズボールのスクラムで一度組み直しの後、コラプシングの反則。ウェールズはタッチキックでハーフウェイ左のラインアウトから連続攻撃を仕掛け36分、マレーのパスからアダムスが抜け出し、内をサポートしたハーディがポスト下へトライ(エドワーズG成功で3-21)。流れを変えたい日本は、前の試合では80分間出続けたフロントローを全員交替(交替出場する16番江良、17番木村は初キャップ。18番竹内は第1戦で80分間出続けた)。そして39分、8番マキシも戻り、ウェールズ陣左22m手前での日本ボールスクラム。交替したフロントローとマキシが戻った8人のスクラムでウェールズFWを押し切りPKを獲得。40分、PKタッチキックでウェールズゴール前左5mのラインアウト。4番エピネリがボールを確保しリーチ、中野と繋いでゴール前3mに迫り、竹内が突進。一度倒れボールを放して立ち上がり、再びボールを拾ってトライゾーンへ飛び込む(李のG成功で10-21)。竹内が拾う直前にマキシが相手を剥がしたプレーは、まさに絶品のアシストと言える。このプレーの後、前半終了。 後半、ウェールズのキックオフで始まり、日本は4番エピネリに変えて19番ララトゥブアを投入。日本ウェールズ陣左10mのラインアウトをコーネルセンが獲得し、連続攻撃。FW、BK一体のアタックで7フェーズを重ね、石田が右ライン際を快走するも、ウェールズのウェインライトに押し出される。両チームとも積極的に攻防を仕掛けるがチャンスとは成らず膠着状態が続く。その中で交代出場の16番江良、17番木村の奮闘が目立つ。9分、スティールで得た45mPGを10番エドワーズが決める(10-24)。まだ若いエドワーズは頼りなく見えるが、ウェールズの10番だけありキックは本当に正確だ。その後も日本は連続攻撃をノックフォワードなどで逸機する中13分、8番マキシに替え20番ベン・ガンターを投入。14分、ウェールズのオフサイドで得たPKをウェールズゴール前右5mに出し、ラインアウト・モールで攻めるが押し切れない。ボールを出して12番中野に縦を突かせるがまたしてもノックフォワード。流れを変えたい日本は16分、9番齋藤、15番中楠に替わり、21番藤原、22番サム・グリーンを投入。そして19分、ワーナーが、日本陣10m右のウェールズボールのラックでの9番ハーディのキックを見事にチャージ。こぼれ球をライリーが拾って前進し左展開。中野の縦突進の後、FW、BK一体の攻撃で揺さぶり右へ展開。途中出場22番サム・グリーンの飛ばしパスをライリーが受け快走し外をフォローしたワーナーがウェールズ陣右ゴール前3mに迫る。連続縦突進(総フェーズ8)の後、最後は再びワーナーがインゴールへねじ込み、TMO判定の結果トライ(李のG失敗で15-24)。その後ウェールズは連続攻撃を仕掛け22分、中盤中央のラックから左へ展開するも、ハーディのパスが高くエドワーズが後逸。見逃さず走り込むライリーが見事にキャッチして快走しウェールズの追走をものともせずポスト下へ飛び込む(李のG成功で22-24)。逆転勝利への期待が高まる。しかし27分、ウェールズボールのハーフウェイ右のラインアウトからのモール・コラプシングでウェールズにPKを与えてしまう。疲れているウェールズに休息と陣地を与えてしまう避けたいプレーだ。このピンチは、ワーナーのラインアウトスティール、ラックでの藤原のスティール、リーチの好キックで逃れ敵陣に入る。日本は有効な連続攻撃を仕掛けトライチャンスを伺うが、ウェールズ選手同様に日本の選手にも疲れが見え始める。31分、日本ウェールズ陣右10mのラインアウトを確保して左オープンに展開。12番中野が縦を突くがウェールズ7番マクラウドに片手のスティールをくらいPK献上。このタッチキックで日本陣に入られたが、日本は全員でプレッシャーをかけピンチを凌ぐ。しかし33分、日本陣中央22mラインを超えたラックからのパスを受けた李がダイレクトタッチを蹴ってしまう。ウェールズのプレッシャーもあるが、疲れから判断が鈍ったのか(DFは一人であり、普段ならかわして敵陣へ大きなキックを蹴るところだが)。34分、このダイレクトタッチで得た日本陣右22mのラインアウトからウェールズは連続攻撃を仕掛け、「絶対に負けない。」という執念で日本ゴールに迫る。連続9フェーズの後、ゴール前中央のラックから左へ展開。20番プラムツリーのバックフリップパスが日本DFのタイミングをずらし、裏でボールを受けたエドワーズがトライゾーンへ飛び込む(エドワーズのG成功で22-31)。疲れているウェールズが全員で気持ちを入れて走りトライを挙げる。残り5分、日本も逆転を目指しアタックを仕掛けるがエース・ライリーの脚はつり全員疲労感を隠せない。ダメ押しトライの後、ウェールズは少し元気を回復し、残り時間を凌いで勝利する。それにしても前回負けたからなのか、テストマッチ18連敗を止めたからなのか、日本に勝ってあれほど喜ぶウェールズには正直驚いた。

 日本は、この日の残り10分間の苦しい戦いを決して忘れず、RWC本大会の予選突破を決める試合や、準々決勝で同様の状況になった時に、この日の経験を活かして勝利し、目標であるベスト4に入ってほしいものだ。