解題・説明
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この勾玉は、西山町坂田(さかた)地内の坪(つぼ)ノ内(うち)遺跡の南側丘陵を巡る溝から出土した。糸魚川市後生山遺跡の竪穴住居からの出土品とほぼ同じ大きさで、新潟県内最大級である。石材は、糸魚川産と考えられる良質なヒスイで、全体的に半透明の緑色を呈し、まだら状に白色が混じる。形状は、北陸地方で一般的とされ、頭部が丸く尾部を平坦に仕上げ、頭部中央に穴をあける。勾玉の年代は、出土した溝の時期が不詳であるが、周囲から出土している甕(かめ)や器台土器(きだいどき)から、弥生時代後期に比定されている。弥生時代の勾玉は、全国で500点以上が出土しており、その6割程度がヒスイ製とされる。4cmを超えるヒスイ製勾玉は稀であり、全国でも十指に入る大きさである。
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