解題・説明
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大泉寺(真言宗)は、日本海を見おろす海抜200mの大清水山上にあって、泰澄(たいちょう)大師の創立と伝える真言宗の名刹(めいさつ)である。歴代越後守護家の尊崇を受け、戦国時代には上杉謙信、景勝等が武運の長久を祈ったという。永禄2年(1559)5月21日落雷により堂宇焼失、直ちに翌3年に再建されたという。また、昭和25年・26年に国費で修築したが、この解体中、肘木(ひじき)に文禄2年(1593)の墨書が発見され、この肘木(市立博物館展示)も追加国指定にされた。堂は、桁行3間、梁間4間、一重屋根寄棟造(よせむねづくり)、茅葺(かやぶき)の禅宗様建築で簡素な構造であるが、虹梁(こうりょう)、大瓶束(たいへいづか)、拳鼻(こぶしばな)等の絵様や曲線などに再興時以前の時代の形式や手法が認められる。なお、平成16年・17年に屋根の葺替えや部分修理を行った。平成19年中越沖地震で被災したが、修復された。
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