解題・説明
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謡曲『柏崎』(室町時代に榎並(えなみ)左衛門五郎が作り、世阿弥(ぜあみ)が改作して完成した狂女物の謡曲)にある柏崎勝長の館跡(やかたあと)とされる。菩提寺(ぼだいじ)であった香積(こうじゃく)寺(曹洞宗)は、勝長の遺言によって剱野(けんの)から移転したと伝えられる。柏崎勝長は柏崎最初の長(おさ)と伝えられるが、その性格は不明である。享保3年(1718)5月22日付け善光寺庚申堂別当(こうしんどうべっとう)堂照坊から、柏崎勝長公と善光寺にまつわる由緒書を受け、寛保3年(1743)には五百回忌が営まれるなど、柏崎文化発祥の淵源(えんげん)として古くから郷愁の的となっている。
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