解題・説明
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旧黒姫村の鵜川盆地女谷(おなだに)の高原田(たかんだ)、下野(しもの)に数百年前から伝わるもので、19世紀初頭の江戸浅草寺や大名屋敷での公演記録がある。黒姫神社の祭礼(9月15日)に演じられ、現在は9月の第2日曜日に「綾子舞会館」前広場で現地公開される。綾子舞(あやこまい)と総称されるが、踊り、囃子(はやし)舞、狂言の3種で構成される。踊りは2、3人の少女が頭にユライと称する赤い布を被り、振袖・赤い袴の巫女姿(下野は振袖・だらり帯・たぐり)・白足袋の服装で扇を持って踊るもので、小原木(おはらぎ)踊、常陸(ひたち)踊など11種がある。囃子舞は一人舞で、囃子につれて物まね手振り面白く舞うもので、恵比寿(えびす)舞など22種がある。狂言は海老すくい、三条の小鍛冶(こかじ)など33種があり、いずれも古歌舞伎など芸能史上価値の高いものである。
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