解題・説明
|
宝生丸(20反帆・900石)は、三島(さんとう)郡出雲崎町の回船問屋が奉納したもので、柏崎地域で見られる船絵馬としては最も古い。弁才(べんざい)船(北前(きたまえ)船)海運も垣立(かきだつ)だけの構造とした初期の姿を示している。 素朴でおおらかな作風である。太々とした力強い垣立の作りや舳先(へさき)に前まくりの弥帆を上げているのも初期に多い様式である。背景も初期船絵馬の様式で、蓬莱島と絵巻式の吉祥帯とは県内でも珍しい形式である。 なお、奉納された御嶋石部神社は、市内本条(ほんじょう)の鹿島(かしま)集落にある。【『柏崎市の文化財』2012年】
|