概要
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正観寺のある一段高い所は庫裏(くり)だが、その南の下にある平地に、近世末に改築された地蔵堂があり、室町後期作の木造地蔵菩薩坐像一躯が安置されている。 人間は死ぬと地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道のうちいずれかに行くといわれており、六道を輪廻する衆生を救う仏が、地蔵菩薩だとされる。天空を象徴する虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に対して大地の恵みを神格化したのが地蔵菩薩である。像の姿は頭を丸め、身には衲衣(のうえ)、袈裟をまとう僧形で、左手に宝珠を持ち、右手に錫杖(しゃくぞう)を持つ立像が多い。 本像は樟の寄木造りで彩色されており、像高は159cmに達し、台座の上に置かれた蓮華座にどっかりと胡坐(あぐら)をかいており、坐像としては県下最大級の部類に属する巨像である。
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