概要
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本像は男神5躯(たい)、女神5駆からなる神坐像である。男神は老年・壮年に造り分けられているが、女神はみな若々しい美しい姿である。いずれも像身の底面に応永10年(1403)6月1日の墨書銘があり、全ての大願主は菊池武朝で、願主はそれぞれ菊池一族の男・女となっている。このように同年月の在銘神像が10躯も揃っていることは極めて稀なことである。 男神像は全て束帯姿で冠をつけ袍(ほう)をまとい、両手を膝の上に揃えて笏(しゃく)をとるが、笏は失われている。女神像は3駆が唐衣を着て、袖の中で手を合わせ、2駆が袍をまとっている。胡粉がところどころに残り、唇・胸の掛帯、袖口に朱が、髪に墨が残る。作者は仏匠播磨法橋といわれるが、法橋の伝記については不明である。
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