解題・説明
|
④町の警防団に負けじと、市内中等学校でも警防隊、防衛隊の名で学校を守る組織が作られたが、中でも水戸空襲の夜の水戸農学校防衛隊の活躍はめざましかった。その夜すでに農場の建物と教室は火に包まれ、手の施しようもなくなったので、せめて本館だけでも助けなければと、一年の寄宿生三十一名を主とした防衛隊と、駆けつけた近在の生徒が屋根の上から水をかけるなど、焼夷弾下に文字通りの決死的消火活動をして、ついに本館を類焼から守った。この水農防衛隊の美談により、残った本館は今、県立歴史館の片隅に往時の姿の一部を残している。
|