解題・説明
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①②昭和二十年八月一日から二日に及ぶ深夜、B29百六十機が水戸を空襲した。零時半から二時十五分までの一時間四十五分の間に、膨大な量の焼夷弾と一部には爆弾も落として、水戸市街の八割を焼土と化し、四百名を超える犠牲者を出した。大都市を別にすれば、全国屈指の大空襲であった。この空襲を予告して、その前日水戸の上空から落としたのがこのビラ。表面には水戸も明記されているが、この中で水戸と同時だったのは八王子と富山。前橋は八月五日、福山は八日で、他は空襲されないうちに終戦となった。当時の水戸市民の多くはこの警告の内容を信じられないまま、あの夜の業火の中に投げ込まれたのである。
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