部位
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前胴丈23.0cm 室町時代に流行した「胴丸」というタイプ。紺糸を中ほどに、上下に白糸を使用している。そして要所には足利家の家紋とされる「竪引き両」「下り藤」と島津家の十字紋が金具としてあしらわれており、艶やかさがあり、かつ見事な仕上がりで、まさに室町期胴丸の典型例である。 「庄内地理志」によれば、元亀2年(1571)、都城島津(北郷)家10代時久に従って鹿児島に出向いた重臣・津曲兼広が島津家当主義久から拝領したものとされている。典型的な体裁と明確な由緒から国重要文化財に指定された。平成6年に修復が施され、現在わが国でも稀少かつ貴重な甲冑の姿が蘇っている。
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