《Journal Intime 1948-1949》および《Journal Intime 1950-1951》は、1948年から1949年、そして1950年から1951年にかけての公私にわたる出来事が綴られた日記である。加藤周一が、戦後初期、作家として旺盛な執筆活動を展開しはじめる時期からフランスに留学する直前までの時期に当たる。加藤の人生の重要な転機となった時期であり、そのきっかけとなった母ヲリ子の逝去に至る日々が描かれ、ヲリ子の「遺言」も付される。また、三島由紀夫、竹内好、中野重治ら、当時加藤と交流があった文学者たちにも言及される。このころ加藤が多忙をきわめたため、途中から妻綾子も日記を綴った。しかし、綾子の書いた部分は綾子の御遺族の御意向により割愛されている。