近代日本文学史上の作家たちに関するノートである。加藤の文学概念はきわめて広く、普通は文学者と位置づけられない人物に関する記述も含まれる。内村鑑三、西周、福沢諭吉、中江兆民、森鷗外、永井荷風、石川淳、中野重治、宮本百合子、正宗白鳥、二葉亭四迷、坪内逍遥、正岡子規、夏目漱石、岡倉天心、小林秀雄、芥川龍之介、谷崎潤一郎らについて記される。本ノートの特徴は、第一に、個々の作家の伝記的事実が年代を追って年表風に書かれていることである。まずは作家の全体像を把握することを目指したことを物語る。第二に、英語で記される部分が多いことである。多くは1960年代のブリティッシュ・コロンビア大学に赴任中に記された。