20世紀前半の日本社会を押さえておくためのノートである。加藤の主なる研究主題である日本文学史にしても、日本美術史にしても、たえず社会経済史的背景や国内外の政治史的背景を意識している。日本近代史が主題であるが、ドイツの同時代、フランスの同時代との比較という視点も持ち込まれている。参考のためであろうが、ヴェトナム戦争に関する記述もある。視野は政治や経済から教育や思想にまで広がる。軍隊や反軍感情、弾圧史という項目もある。特定の著作のためのノートではない。正確には分からないが、1960年代前半から後半にかけて採られたノートだと思われる。かなりの分量のノートが採られている。大半は日本語で書かれているが、一部は英語で綴られている。