題名はフランス語で書かれるが、内容は日本文学史上の文学論および文学について論じた文学者について立項されたノートである。使用言語は、主として日本語、一部英語である。項目としては「歌論」「鴨長明」「俊頼髄脳」「為兼御和歌抄」「穂積以貫 難波土産」「役者論語」「世阿弥」「花伝書」「大蔵虎明 わらんべ草」「無名草子」「俳論」などがある。このノートを特定の著書と結びつけるのは困難であり、加藤の文学史の基本になる「文学とは何か」という問題を考えるときの基本を示していると解釈するのが妥当のように思われる。『日本文学史序説』の基本的な考え方と通底する。書かれた時期は1960年代だろうと思われる。