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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
まなうらの像(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku001013
タイトル. 版. 巻次
まなうらの像
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
まぼろしの椅子
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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編著者(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
まぼろしの椅子
まなうらの像
虐げらるる程強くなる女よといふ噂歸り來てひとり炭火をおこす
言傳てもちて來し友の幼な子わが炊ぐ釜の小さきを驚きて言ふ
殻とぢて竦める如き日のわれを不意に來し母に見せてしまひぬ
わが敎へし舟唄今も忘れずと何故書き來しや母となれる教へ子
みづからの道狹めつつ生きゆくや亞流と言はれむを何より怖る
焦點となすを懼るるわがこころ賜びし詩集の背文字をみつむ
アンカットのまま重ねおく詩集一つ徒勞とも思ふわが仕事ふえゆく
氣づかぬ間に陽氣にものを言ひてしまふもう一人のわれを怖れて思ふ
舞曲のレコードかけつつ夕餉なす放恣とも思ふかかる孤獨の處理は
悲劇も今はわれの中に消化し去られつと思ひひそめて或る夜はゐたり
何事も抽象化してしまふわれと思ふ充たされゆくやながき空白も
閉ぢこめられゐて秘かに爪とぐ如き身と疊掃きつつ寂しき日なり
わが夢に夜々ひらく嚝野を翳のごとよぎるはいまだたれとも知れず
散漫になる夜の心まどろめば聖アンネの像がまなうらに來る
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まぼろしの椅子
まなうらの像
虐げらるる程強くなる女よといふ噂歸り來てひとり炭火をおこす
言傳てもちて來し友の幼な子わが炊ぐ釜の小さきを驚きて言ふ
殻とぢて竦める如き日のわれを不意に來し母に見せてしまひぬ
わが敎へし舟唄今も忘れずと何故書き來しや母となれる教へ子
みづからの道狹めつつ生きゆくや亞流と言はれむを何より怖る
焦點となすを懼るるわがこころ賜びし詩集の背文字をみつむ
アンカットのまま重ねおく詩集一つ徒勞とも思ふわが仕事ふえゆく
氣づかぬ間に陽氣にものを言ひてしまふもう一人のわれを怖れて思ふ
舞曲のレコードかけつつ夕餉なす放恣とも思ふかかる孤獨の處理は
悲劇も今はわれの中に消化し去られつと思ひひそめて或る夜はゐたり
何事も抽象化してしまふわれと思ふ充たされゆくやながき空白も
閉ぢこめられゐて秘かに爪とぐ如き身と疊掃きつつ寂しき日なり
わが夢に夜々ひらく嚝野を翳のごとよぎるはいまだたれとも知れず
散漫になる夜の心まどろめば聖アンネの像がまなうらに來る