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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
火山灰地(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku002004
タイトル. 版. 巻次
火山灰地
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
不文の掟
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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/ 11652ページ
関連目録
不文の掟
火山灰地
窓ガラスの曇り拭く手もまみれゐて夜汽車に碓氷越えゆかむとす
夢見しは無風の曠野ぞ火山礫を吹き飛ばし来る風にたぢろぐ
風つのる火山灰地のただ中にまた人を降ろしバスは去りゆく
永劫の荒蕪と思ふ野を過ぎて穂すすきそよぐ一地帯あり
這ひ松の青むのみなる火口原またひとしきり砂塵はしまく
荻叢に野川あふるるひとところ何ぞ踏み越えがたき思ひは
何に執して苦しめる身ぞ岩漿はたたなはり劫初の地形をとどむ
昏れてゆく岩場にひとりバス待てば虜囚の思ひ身をせばめ来る
まざまざと硫黄臭へば目を閉ぢて火口丘をくだるバスにゆらるる
水光り流るる沢の夕じめり今は帰らむ河口の街へ
山原の不毛を見尽くし来て幾日遠く光りゐたる湖を恋ふ
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不文の掟
火山灰地
窓ガラスの曇り拭く手もまみれゐて夜汽車に碓氷越えゆかむとす
夢見しは無風の曠野ぞ火山礫を吹き飛ばし来る風にたぢろぐ
風つのる火山灰地のただ中にまた人を降ろしバスは去りゆく
永劫の荒蕪と思ふ野を過ぎて穂すすきそよぐ一地帯あり
這ひ松の青むのみなる火口原またひとしきり砂塵はしまく
荻叢に野川あふるるひとところ何ぞ踏み越えがたき思ひは
何に執して苦しめる身ぞ岩漿はたたなはり劫初の地形をとどむ
昏れてゆく岩場にひとりバス待てば虜囚の思ひ身をせばめ来る
まざまざと硫黄臭へば目を閉ぢて火口丘をくだるバスにゆらるる
水光り流るる沢の夕じめり今は帰らむ河口の街へ
山原の不毛を見尽くし来て幾日遠く光りゐたる湖を恋ふ