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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
石の船(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku004009
タイトル. 版. 巻次
石の船
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
花溢れゐき
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
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編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
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出版者(カナ)
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地名件名(カナ)
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内容細目(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
花溢れゐき
石の船
きりもなく羽虫湧く空ゆふづきて雲のながれの速くなりゆく
抜け道といふを教はりたどり来て焼け木のうかぶ掘割りに出づ
帰るとも行くとも見ゆる水の上落ちし油紋はただにひろがる
こだはればきりなきものを尉面のかげる間多き雨季は近づく
うす青きガラス散らばる道の上こまかき音を掃きよせてゆく
草にうもれ消火栓あるあたりより朝々に湧く藁雀のこゑは
幾たびも電話を聞きに立ちゆきて継ぎ目だらけの罫を引きゐる
さはやかにコピイの漢字揃ふ日の人に知られぬよろこび一つ
勾玉に過ぎにし遠き時間など思ひてをれば笹の葉が鳴る
ゆるやかに遠景をめぐるクレーン車のきらめくものをふりこぼしゆく
草を食む馬などの不意にやさしくてたんぽぽの黄のそよげるを見つ
死ぬことを知らぬ揚羽が飛びゆくと言ひき再び起つ日なかりき
灰いろの光のなかに時ながく編みゐし紐も醒めて跡なし
鑿の音風の切れめによみがへり石の船など刻むならずや
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花溢れゐき
石の船
きりもなく羽虫湧く空ゆふづきて雲のながれの速くなりゆく
抜け道といふを教はりたどり来て焼け木のうかぶ掘割りに出づ
帰るとも行くとも見ゆる水の上落ちし油紋はただにひろがる
こだはればきりなきものを尉面のかげる間多き雨季は近づく
うす青きガラス散らばる道の上こまかき音を掃きよせてゆく
草にうもれ消火栓あるあたりより朝々に湧く藁雀のこゑは
幾たびも電話を聞きに立ちゆきて継ぎ目だらけの罫を引きゐる
さはやかにコピイの漢字揃ふ日の人に知られぬよろこび一つ
勾玉に過ぎにし遠き時間など思ひてをれば笹の葉が鳴る
ゆるやかに遠景をめぐるクレーン車のきらめくものをふりこぼしゆく
草を食む馬などの不意にやさしくてたんぽぽの黄のそよげるを見つ
死ぬことを知らぬ揚羽が飛びゆくと言ひき再び起つ日なかりき
灰いろの光のなかに時ながく編みゐし紐も醒めて跡なし
鑿の音風の切れめによみがへり石の船など刻むならずや