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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
いづこも遠し(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku004016
タイトル. 版. 巻次
いづこも遠し
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
花溢れゐき
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
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関連目録
花溢れゐき
いづこも遠し
靄ふかくなりたる木の間人のゐぬ車のなかのラヂオが歌ふ
影のみとなれる鷗ら飛び交へりずり落ちてゆく海の夕陽に
底深くつながりてゐる島々かつぎつぎに潮に呑まれてしまふ
かさかさと鳴る藁の束町の灯も駅も隠れてしまふまで積む
たなそこに溜まれる闇の濃くなりて針の先のみ輝き始む
坐りゐる木椅子の背より冷えて来てかすかに窓にきざす夕映え
何に使ふ桶か小さく湧き水にころがしながら人の洗へり
石飛ばしゆくバイクあり古びたる顔を廻してわが立ちどまる
登山用の鉈を人は買ひ爪切りの小さき一つをわれの購ふ
フラメンコの踊り子らしき少女らの過ぎてふたたび落ち葉降る坂
胸もとに梢の影の落ちて来て目を病むことの不意にさびしき
葬列の短く過ぎて藁塚の藁の匂ひのたつこともなし
新しき叙勲の文字を彫り足して兵士の墓を今も野に置く
人を刺すことなかりしやペン軸の無数の傷を見つつ思へば
会ひがたき人の名を新聞に読める朝の遠く虹立つごときさびしさ
新しき絨毯が放つ毛の匂ひ待つことの多き仕事と思ふ
ゆらめきて紙などの泳ぐ夢のなかどのあたりまでわれは行きしや
かたはらに何時よりか置きゆすぶらぬ限りしづけきモザイクの箱
黒百合の香りいつまで嗅ぎてゐて思へることのおぞましき日よ
海一つ越えたるごとき目ざめあれ明日読む本を枕べに置く
廊下ゆくをりをりにして足音をたてぬ歩みを人もうとまむ
事務室のガラス拭かれてゐながらに見ゆる枯れ野のまぶしくなりぬ
虹の線雲の切れめに光りゐて行かむと思ふいづこも遠し
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花溢れゐき
いづこも遠し
靄ふかくなりたる木の間人のゐぬ車のなかのラヂオが歌ふ
影のみとなれる鷗ら飛び交へりずり落ちてゆく海の夕陽に
底深くつながりてゐる島々かつぎつぎに潮に呑まれてしまふ
かさかさと鳴る藁の束町の灯も駅も隠れてしまふまで積む
たなそこに溜まれる闇の濃くなりて針の先のみ輝き始む
坐りゐる木椅子の背より冷えて来てかすかに窓にきざす夕映え
何に使ふ桶か小さく湧き水にころがしながら人の洗へり
石飛ばしゆくバイクあり古びたる顔を廻してわが立ちどまる
登山用の鉈を人は買ひ爪切りの小さき一つをわれの購ふ
フラメンコの踊り子らしき少女らの過ぎてふたたび落ち葉降る坂
胸もとに梢の影の落ちて来て目を病むことの不意にさびしき
葬列の短く過ぎて藁塚の藁の匂ひのたつこともなし
新しき叙勲の文字を彫り足して兵士の墓を今も野に置く
人を刺すことなかりしやペン軸の無数の傷を見つつ思へば
会ひがたき人の名を新聞に読める朝の遠く虹立つごときさびしさ
新しき絨毯が放つ毛の匂ひ待つことの多き仕事と思ふ
ゆらめきて紙などの泳ぐ夢のなかどのあたりまでわれは行きしや
かたはらに何時よりか置きゆすぶらぬ限りしづけきモザイクの箱
黒百合の香りいつまで嗅ぎてゐて思へることのおぞましき日よ
海一つ越えたるごとき目ざめあれ明日読む本を枕べに置く
廊下ゆくをりをりにして足音をたてぬ歩みを人もうとまむ
事務室のガラス拭かれてゐながらに見ゆる枯れ野のまぶしくなりぬ
虹の線雲の切れめに光りゐて行かむと思ふいづこも遠し